3) トレッキング(北アルプス)/ JAPAN ALPS

2025年10月11日 (土)

<movie> 初めての立山; (4) 雷鳥沢ヒュッテ 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (4) Raichozawa Hyutte, early autumn 2025

 

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一ノ越山荘で午前0時ごろから、強風により小屋の周囲で何かがバタバタと激しく動く音や、激しい雨音が聞こえてきました。午前5時に起きた時も、外の天候は変わらず。外に出てみると、ここはやはり風の通り道、吹き飛ばされそうな風の勢いで、慌てて小屋に戻ります。朝食後、五色ヶ原山荘は諦めてキャンセルの連絡、雷鳥沢ヒュッテの予約変更を行います。こんな天候でも、雄山への登山者が続々と室堂から上がってきます。

室堂は昨日十分堪能してしまったので、一ノ越山荘をのんびりと出発し、途中室堂ターミナルで時間を潰し、少し視界が開けてくるのを待って雷鳥沢ヒュッテへ出発です。みくりが池温泉まではすぐですが、それから先は登ったり降ったり、意外と遠く感じます。最後は谷筋に向かって降って到着です。室堂ターミナル〜雷鳥沢ヒュッテ間、40〜60分くらいでしょうか。

 

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霧の中に現れた”巨大な”雷鳥沢ヒュッテ! コンクリート4階建て/収容人数250名だそうです。外観は山小屋・山荘と言うよりはホテルです。

「雷鳥沢ヒュッテ」は、地獄谷に湧出する温泉を利用することで、室堂では外湯(半露天風呂)のある唯一の宿泊施設です。標高は2,400mあるので、日本最高所の露天風呂だそうです。
こちらは1947年にオープンした「房治荘」として始まります。立山黒部アルペンルート開設(1971年)に合わせて、1975年に現在の場所(ロッジ立山連峰の隣)に移転して「ニューフサジ」と名前が変わり、その後「雷鳥沢ヒュッテ」となったそうです。
「ニューフサジ(雷鳥沢ヒュッテ)」は優美な曲線が美しいですが、これは建築家の吉阪隆正氏によるものです。吉阪氏は早稲田大学建築学科卒業後、早稲田大学の学部長、日本建築学会会長、日本山岳会理事などを務めており、このアルペンルート沿いの建築物の設計をなされています。ただ、すでに50年ほど経過しているので、豪雪や火山ガスなどの過酷な環境の元でかなりの老朽化が進んでいるようです。

外湯 地獄谷温泉(雷鳥沢温泉)、源泉掛け流し 泥炭臭、泥のような濁り湯、単純酸性温泉。非常に熱いので水を自分で適当に入れて、適温状態にして入ります。衣類に強い臭いがついて、後が大変なようです。
内湯 300m先の採湯地から引いており、ボイラーによる加熱はしていない(沸かし湯ではない)と表記されています。こちらも非常に熱いので水を自分で適当に入れて、適温状態にして入ることになります。それでも熱いので長時間入っていることはできません。「温泉」とは明記されていませんが、微かに硫黄臭もして(タオルにも臭いが付きます)温泉のように思いますが、どうなんでしょうか?

部屋は4階の相部屋、何度も4階まで階段で上り下りします(苦笑)。
ヒュッテのスタッフから「熊がいるよ!」と言われて、宿泊者数人が急いでテラスにやってきます。この付近では成獣が2頭、子供が2頭確認されているそうです。この日は成獣2頭が見られました。かなりの距離がありますので私たちは呑気に眺めていられますが、下山中の登山者が付近にいたりテント場もあるので、緊迫した場面もありました。熊は草むらやハイマツの中でいつも何かを食べているようでしたが、移動する時はけっこう速いです。

熊を見ているうちにあっという間に時間が過ぎてしまい、夕食です。食事は松花堂弁当風の器で出てきました。再びテラスに出ると天候がやや回復していて、山々は美しい夕焼けに染まっていました。

 

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翌朝は再び激しい風雨に見舞われました。人影も少ない中、熊との遭遇を警戒しながら、無事に室堂ターミナルに到着です。アルペンルート、富山地方鉄道乗車中も、繰り返し激しい雨に見舞われます。今回は”山行”というよりも”旅行や観光”で終わってしまった気もしますが、一ノ越からの裏銀座方面の眺め、初めての室堂と立山、熊さん、地獄谷温泉(雷鳥沢温泉)と、まあ良かったのかな? と思いながら帰路につきました。

September 2025, Tateyama Raichozawa Hyutte Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年10月 6日 (月)

<movie> 初めての立山; (3) 一ノ越山荘 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (3) Ichinokoshi-Sanso LODGE, early autumn 2025

 

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「乗越 / 乗っ越し」(のっこし)は、山(登山)における峠、あるいは山の尾根を越える鞍部(あんぶ)を通る道のことを示す言葉です。「・・・・乗越」のような地名としても使われています。乗越は越(こえ、こし)などともいいます。
こちらでは一ノ越付近に小さな祠があり、そこから雄山山頂に向かってニの越、三の越、四の越とそれぞれに祠があり、五の越が頂上だそうです。雄山神社は越中国一之宮ですので、「一之宮の越」なのかもしれませんね。「一ノ越」(いちのこし)は、この地域で一番の(ご利益のある?)峠道という意味なのでしょうね。

一ノ越山荘に到着し、この峠から見る「表銀座」「裏銀座」方面に思わず見入ってしまいました。表銀座の燕岳・大天井岳、昨年縦走した裏銀座の真っ白な野口五郎岳・水晶岳、遠方に槍・穂高連峰、笠ヶ岳など、たくさんの山並みが見えて感動しました。裏銀座の烏帽子小屋からの縦走路では、ちょうど立山・剱方面が良く見えていましたが、どこのポイントが見えているのか良くわかりませんでした。

この一ノ越からは、北へは立山三山(雄山・大汝山・富士の折立・真砂岳・別山・剱御前)縦走コース、南へは浄土山・龍王岳・鬼岳を通って五色ヶ原・薬師岳へ、東へは東一の越を経て黒部湖(黒部ダム)方面へ、西へは登ってきた室堂へと道は繋がっています。登山者の大部分は、雄山へ行き交う人のようです。山荘は立山信仰の総本宮である雄山神社へ登る休憩所として60年以上前に開かれたそうです。

 

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この日は空いていたようで、相部屋予約でしたが実質個室としての利用でした。ロケーション的に中途半端で、今では宿泊する人は少ないのかも。ドコモの電波状況は屋内では不安定で、山荘の外、室堂に面した場所の方が安定しているようでした。小屋専用のwifiが利用できます。「越」なので風もけっこう強いです。

夕食は17時、クリームシチューでした。朝食は6時で、珍しくのんびりしています。長距離の縦走などで早い朝立ちをする人は、朝食は「弁当」なのでしょう。明日の天候に不安を感じながら、寝ることにします。

September 2025, Ichinokoshi-Sanso LODGE Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年10月 1日 (水)

<movie> 初めての立山; (2) 室堂 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (2) Murodo, early autumn 2025

 

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富山地方鉄道 電鉄富山駅5時50分(立山行き始発電車)に乗車、室堂ターミナル8時半到着で、スケジュールを組みます。立山黒部アルペンルート(立山ケーブルカー、立山高原バス)の事前ウェブ予約をすべきか、電鉄富山駅から室堂ターミナルまで通しで乗車券を買うか(電鉄富山駅窓口では、販売は前日15時までで間に合わず)、ずいぶん迷いましたが、そんなハイシーズンではないし、大丈夫だろうという勝手な予想で、予約なしの成り行きで出かけました。

駅前のホテルから電鉄富山駅 改札口に5時30分到着、その時点で20人ほど並んでおり、改札時には70〜80人程度に増えていました。立山駅には5分遅れで到着。到着した立山駅2階は立山ケーブルカー乗り場に直結。乗車券が無いので、1階のアルペンルート乗車券売り場に行って、立山高原バスも含めて購入。片道か往復か聞かれましたが、山行の日程(天候)とも関係するので、少々悩みました。美女平駅の高原バスは、7時40分発の増便が出て7時45分出発。室堂ターミナルに8時35分到着。予定通りでした。

「ホテル立山・室堂ターミナル」は、次のようなサービスが入居している複合施設です。
1階;立山黒部アルペンルートの乗車券売り場、黒四ダム・信濃大町方面への乗降口、待合室、売店、ゴミステーション、観光バスの乗降口、自然保護センターなど
2階;路線バスの乗降口、ホテル立山のレストラン、売店など
3階;ホテル立山 フロント、ティーラウンジなど
屋上;展望台など

室堂ターミナルの中は、朝にもかかわらず、登山客・観光客(団体さん、インバウンドなども)で大変混雑していました。8月中旬にミクリガ池を泳ぐ熊の画像がインターネットにアップされて驚ましたが、熊の出没地点、登山情報、火山ガス情報などが大きく張り出されていました。

 

 

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外の天候は高曇り、気温14℃、意外と暖かいです。今日1日は確実に天候は良さそうなので、とりあえず初めての室堂を一周してみます。ターミナルから、みくりが池展望台、みくりが池温泉、エンマ台展望台(地獄谷)、(少し戻って)血の池、みどりが池、立山室堂山荘、(再び)ターミナルと回ります。登山道というよりも散策路です。ただし、みくりが池温泉方面は意外と登り降りがあります。この周回路、見事な石畳です(笑)。細かい段差につまづいて転ばないように注意です。10時をすぎる頃から晴天となり、Tシャツ一枚でも過ごせるような陽気となります。草紅葉がかなり見られ、秋の訪れを感じさせます。

ホテル立山の標高は2,450mです。山岳リゾートホテルとしては日本一標高の高い場所にあります。このホテル立山(レストラン立山)で早めのランチをとります。チキンカツカレーとオレンジジュースです。

 

(一言メモ)
 アルペンルートの中継地点に当たる関西電力の黒部川第四発電所(黒四ダム)は、石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」でも非常に有名。1950年(昭和25年)ごろから関西地方の深刻な電力不足への対応として計画が持ち上がり、1956年(昭和31年)着工、数々の難工事と多大な殉職者を出しながら1963年(昭和38年)完成。
 一方、「立山黒部アルペンルート」建設の始まりは、1952年、富山県が産業経済発展のため、大規模な開発計画を策定したことが発端。その後、20年の歳月をかけて1971年全線が開通。
 これらの工事の進捗に併せて、建築家の村田政真氏による設計に基づき、ホテルの着工は1969年(昭和44年)、5年の歳月と平地の標準建設費の3倍に及ぶ資金を費やし、1972年(昭和47年)に営業開始。
 なお、ホテル立山は、2026年8月31日に宿泊サービスの営業を終了予定、レストランと売店は継続予定、宿泊事業は星野グループが引き継ぐと言われています。

 

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一休みして、快晴の中、一ノ越山荘に向けて出発です。登山道周辺で熊が頻繁に目撃されています。これだけ登山者が多いと、さすがに熊と正面から出会うことはないだろうと思いながら、対岸の山腹あたりにいないかな? と目を凝らします。振り返ると、室堂平とその後にそびえる大日岳がよく見えています。

やや傾斜が急な山道となりますが、相変わらず石畳は続いています。石畳の石が崩れないようにセメントで固めてあります。登山道というよりは、舗装道路のような感じです(笑)。山行初日で暑くてペースが上がらない中、いつの間にか一ノ越山荘に到着です。

September 2025, Tateyama Kurobe Alpine Route, Tateyama Murodo Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年9月27日 (土)

初めての立山; (1) 富山駅前 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (1) Toyama Station area, early autumn 2025

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今回9月中旬の室堂宿泊予約は、少しのんびりしすぎて、2ヶ月前の7月中旬に始めました。予約を始めると、この時点で一人用の相部屋はどこも満室であることに気が付き、ちょっと驚きました。直前になればキャンセルが出るだろうと思いながら、とりあえず富山駅前のホテルを確保して山行スケジュールを組みましたが、日程にも余裕があるので、結局そのままで山行スタートとなりました。下山時の室堂宿泊は、室堂ターミナルから一番遠い雷鳥沢ヒュッテです。

初日には富山に午後3時ごろ到着。ホテルにチェックイン後、駅前を偵察、電鉄富山駅に行って明日の電車の時刻や路線などを確認します。

 

富山駅前にいると、日本人観光客はもとより、欧米系・アジア系のインバウンド観光客が個人や団体で大勢来ています。大勢の外国人がわざわざ富山までやってくるような観光地は一体どこだろうと不思議に思っていましたが、改めて調べてみると、意外というか私自身はほとんど知らない場所が多かったでした。

1)富山市内の富岩運河環水公園(園内には”世界一のスタバ”として有名になった「スターバックス 富山環水公園店」)、松川遊覧船、富山市ガラス美術館
2)高岡・氷見の雨晴海岸(能登半島国定公園)や射水神社、砺波チューリップ公園
3)世界遺産 五箇山合掌造り集落(相倉合掌造り集落、菅沼合掌造り集落)
4)立山黒部アルペンルート、宇奈月温泉、黒部峡谷トロッコ列車といった北アルプスの自然が楽しめるエリア
とにかく、富山県で人気のインバウンド観光地は、県内にバランスよく? 散らばっているそうです。

   

富山駅構内のJR西日本の発券機(新幹線・指定席券など)にも、外国人がよく並んでいます。JR東日本の「えきネット」で東京〜富山間を購入しようとすると、JR東海についての注意事項がいろいろと出てきます。改めて駅で確認すると、東京(首都圏)〜富山間にJR東海の路線が入ると、「えきネット」はダメだそうです。

JR(いつもはJR東日本)の発券機は苦手です。JR各社の券売機での操作・購入方法は基本的に同じだそうですが、ユーザーインターフェイス(メインメニューなど)が微妙に異なるそうです。それが一瞬の操作の際に、使いづらい・分かりにくい・操作が分からないと感じるのかもしれません。これらの券売機は当然ながらJRの職員が使うホストコンピュータ「マルス」に接続されていますので、「マルス」の独特な操作感が、一般利用者にはなかなか馴染めないということでしょう。今回、富山駅では券売機のメインメニューに、『通常は「乗り換え案内」をタッチ』と貼り紙がしてあり、ここから入ると在来線の複雑な経路も一瞬で、あっという間に指定席・乗車券の購入が完了しました。驚きました!

 

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最後に今日の夕食の場を探します。駅前をぐるりと一周してみます。途中黄昏の中、高架の富山駅をくぐり抜ける路面電車を眺めていました。結局、駅構内に近い人気のありそうな海鮮料理の店に入りました。あと気になるのは天候です。

September 2025, Tateyama Kurobe Alpine Route, Toyama Station area, iPhone 13

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2025年9月 5日 (金)

白馬岳 2025夏 (5) 「おひょっくり」/ Mt. Shirouma-dake Summer 2025 (5) Restaurant ”Ohyoxtukuri”

 

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白馬で昼食か夕食を食べる機会があれば、白馬八方のホテルペンション街にある居酒屋風のお店「おひょっくり」が候補の一つかと思います。白馬八方バスターミナルから徒歩で10分以内です。

「おひょっくり」とは郷土料理の名前で豚汁・けんちん汁風+”すいとん”が入った汁椀で、これがメインにメニューが構成されています。普通の定食・丼ものもあります。

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私はランチに、「おひょっくり」+冷やしうどんなどのセットメニュー、デザートに抹茶アイスを頼んで、いずれも美味しかったでした。この店、なかなか人気なようで、12時の開店前に行って、13時に店を出る時には仕込み分が無くなり閉店になっていました。

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2025年9月 2日 (火)

白馬岳 2025夏 (4) 番外編 / Mt. Shirouma-dake Summer 2025 (4) Side-story; sudden end of the trekking

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栂池自然園から白馬大雪渓(2010/8)

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船越の頭〜小蓮華岳間から白馬大雪渓 (2025/8)

 

昨日は、黄昏時の美しい山並みを存分に楽しみながら、明日の好天に期待を膨らませながら、眠りにつきました。

そして・・・・・、午前0時ごろ目が覚めると、屋外で風で何かがバタバタ動いているよう音が聞こえてきます。午前4時前、トイレに行くために廊下を歩いていると、激しい雨音と強風でバタバタと何かが動いている音が聞こえてきます。やはり予報通りの悪天候のようです。午前5時、朝食です。昨日の山岳遭難防止常駐隊の男性2名もすでに来られており、宿泊のみなさんがお二人を取り囲んでいました。

ところでこの日の悪天候は、梅雨明け以来ずっと続いた好天が一旦終わり、梅雨前線の南下に伴うものでした。実は、この悪天候は日本気象協会の2週間予報で北陸方面(北アルプス北部)ですでに予測されていました。白馬村の予報では、悪天候はたった1日(8月11日)ですが降雨量の予測は毎日20〜100mm/日以上と極端に異なり、10日以上先の予報でもあり私自身も日程変更やコース変更をどう判断すべきか、非常に困ってしまい、しばらくは様子見となりました。出発の日が近づくにつれて、降雨量は少なくなるものの、悪天候の日が1日から2、3日にのびる傾向があり、それもやや前倒しになる傾向が見られたので、出発直前に日程を1日短縮し、悪天候の前日に白馬鑓温泉小屋到着、悪天候の日に猿倉に下山という日程にしました。しかし結局、杓子岳・白馬槍ヶ岳・温泉小屋到達前に悪天候に巻き込まれてしまいました。

朝食を済ませてくると、すでに出発する宿泊者多数で、常駐隊の方から悪天候が長引きそうなので、今日すぐに大雪渓を下山するのが最善策と言われました。大雪渓がエスケープルートということです。昨日も、日程・ルート変更(予約の変更やキャンセルなども含めて)をいくつか考えていたのですが、悪天候の中での大雪渓の下山は考えていなかったので、ちょっと驚きましたが、しばらく考えて、このアドバイスに従うことにしました。もちろん大雪渓は初めてです。ザックのパッキングをやり直して、午前7時半、少し遅くなりましたが出発です。もうみなさん出発してしまったのか、宿泊者の数は少ないようです。みなさん、稜線コースで白馬大池・栂池に降るのか、大雪渓を降るのか、山荘に停滞・連泊か、まさか白馬鑓温泉小屋に向かうのか、どのコースが多いのだろうかなどと考えながら、外の状況を確認します。かなりの強風と雨で、躊躇しながらも出発です。

間近に見える村営の白馬岳頂上小屋が、意外と遠かったでした。大雪渓までの上部の岩場の降りの方が大変でした。ガスが濃くて視界は20mくらい? ロープの位置はおおよそ分かりますが、岩場の急斜面を雨水がかなり流れているので、どこを歩くべきか時々迷ってしまったり、とにかく焦らずゆっくりと降ります。2,3人のグループがいくつか自然と集まり10人くらいのグループのような感じで適当な距離感を置いて下っていきます。時々、ベテランの単独行の方が、さーっと追い抜いて降りていきます。避難小屋、2ヶ所の小さな木製の橋を過ぎて、ようやく大雪渓へと到着です。

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大雪渓 休憩スポット (2025/8)

   

ここまでくると風雨もかなり弱くなりましたが、相変わらず視界は悪いです。落ち着いて周りを見渡すと、登ってきた人も含めて、かなりの登山者がいることに気が付きます。アイゼンをしっかり装着して、初めての大雪渓に臨みます。ここでも、なんとなく大グループができて、なんとなくみなさん順番に出発していきます。今年の大雪渓は久しぶりに雪の量が多かったと聞いています。見える範囲では大きな穴は1ヶ所、クレバスには気が付きませんでした。踏み跡はしっかりしているし、アイゼンを一歩一歩効かせて降る分には不安はありませんでした。途中の休憩スポットで一休み。雨も風も止んでいます。視界もかなり開けてきて、下界の方では薄陽が出ているようです。

 

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大雪渓 末端部 (2025/8)
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大雪渓 末端部 (2013/8)
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大雪渓 末端部 (2013/8)

大雪渓の末端部に到着です(実際には、この先でもう一度残雪区間に出くわします)。ここまでは、昔猿倉から登って来たことがあります。アイゼンを外して一休みです。通常の登山道を下って、旧白馬尻小屋(解体されて廃材のみ、トイレが新設)、林道に到着です。猿倉荘まで、この林道歩きが長く感じて、草臥れました。

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白馬尻 (2013/8)

 

猿倉荘でも山岳遭難防止常駐隊の男性2名が、大きな相談窓口を開いていました。猿倉荘では、まず白馬鑓温泉小屋の当日キャンセルと猿倉荘の当日新規予約です。山小屋のグループ間での予約・キャンセルは、いろいろと融通を効かせて頂き助かります。夕食は豚肉の炒め物の定食です。お隣のグループも白馬鑓温泉小屋を中止して大雪渓を下ってきたとのこと。翌朝も、激しい雨でした。山頂付近(稜線)での悪天候はさらに続いていたようで、奇しくも2週間予報で出ていた当初の悪天候の日、同じルートでとうとう死亡事故が発生してしまいました。

今年は夏山山行もあっけなく終わることとなりました。

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August 2025, "Hakuba Daisekkei” (Hakuba large snowy valley) Japan Alps, iPhone 13 etc.

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2025年8月28日 (木)

<movie> 白馬岳 2025夏 (3) 白馬山荘のひととき/ Mt. Shirouma-dake Summer 2025 (3) Stay in the HAKUBA SANSO LODGE

 

 

 

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白馬山荘は初めてですが、想像していたほどの巨大さは感じられませんでした。もちろん、他の山小屋と比べれば大きな建物が4棟もあるのですが・・・。建物の高さが低いためかもしれません。

そうは言っても、宿泊者が桁違いに多いというのは、宿泊の受付時から感じられます。広い受付棟の内部、受付窓口と支払い窓口が別れている。広い食堂(120席)は250席くらいあるように感じられたが、トレイを持って並ぶのは社員食堂のよう、まさに戦場です(笑)。雲上のレストラン「スカイプラザ白馬」は洒落た都会並みのレストランですが、こんなに大きなレストラン・カフェも大都会を除けばそんなに無いように思います。外に並ぶベンチの数も半端でないし・・・。いずれにしても、物資や大量の水の安定供給、設備のキャパシティなど、裏方さんはたいへんそうですね。

今回は相部屋で普通の1泊2食付きの予約でした。相部屋は布団が敷き詰められていて、一人おきに予約者が入っているという感じでした。こちらは個室もバリエーションが多く、受付にも本日の個室の空き状況が明示されていて、積極的に予約変更を勧めていました。宿泊受付時、夕食にビーフシチューに変更するとスカイプラザで夕食を頂けるようですが、案内に気がつきませんでした。標準の食事はごく普通でした。

 

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一通りザックの整理した後は、「スカイプラザ白馬」に行ってみました。昼食をとった後、食後のデザートにケーキセットを頼みました。この日は昼以降は雲がかかって展望も良くないし、それほど混雑しているわけではなかったので、ずいぶんと長居してしまいました。

ところで、昔はこのエリアは「カレー縦走」と言われたそうです。つまり、どこの山小屋もカレーライスしか出ない(笑)。流石に今は違って、今回の夕食メインは、鍋と白身魚の香草焼き? ハンバーグ、鶏肉の蒸し物? といった具合でした。

 

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ところで、広大な受付棟の一角に長野県山岳遭難防止常駐隊の男性2名がおられて、登山者の相談にのっていました。相談所の開設時間は基本は17:00-19:00だそうですが、悪天候の場合は必要に応じて随時開いているようです。

ネットの山岳事故のニュースを見ていると「大町警察署山岳遭難救助隊」「長野県山岳遭難防止常駐隊」という名称が良く出てきますが、「長野県山岳遭難防止常駐隊」は「長野県山岳遭難防止対策協会(遭対協)」(長野県観光部)の現場での実働部隊で、2025年度は夏から秋にかけて、後⽴山連峰と槍ヶ岳・穂高連峰の2ヶ所でそれぞれ18名、15名の方が山小屋に常駐し、登山相談やパトロールを⾏い山岳遭難防止に努められているとのことです。遭難事故発生の際には、「大町警察署山岳遭難救助隊」と協力して対応にあたるそうです。

私もせっかくの機会ですので、明日以降悪天候の予報の中、杓子岳・白馬鑓ヶ岳周辺のルート、白馬鑓温泉小屋からの下山コースについて再確認をしたり、アドバイスを頂きました。悪天候の場合の日程変更案もいくつか考えました。

 

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そんな状況下で、夕食も済ませ、外の様子を伺っていると、18時ごろから急に雲が切れてきました。慌てて外に飛び出すと、眼前には杓子岳・白馬鑓ヶ岳が雲間の間から徐々にその全貌を現し始めていました。白馬鑓ヶ岳のはるか彼方には、槍・穂高連峰が小さいながらもはっきりと見えていました。また、目を右手に転じると、剱岳や立山連峰が見えていました。(毛勝三山と白山は霞んでいました。それ以外の山々についてもよく分かりません。唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳の双耳峰・薬師岳・裏銀座の山々なども見えていたのかもしれませんが・・・。)
時間と共に雲はますます消えていき、夕暮れ時の絶景が広がっていきます。明日の天候回復に胸を膨らませながら、悪天候の予報が大きく外れることを念じながら、この光景にいつまでも見入っていました。

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[白馬山荘メモ]

・白馬山荘は、1906年(明治39年)に開業した日本最古の山小屋(宗教登山を除く)で、日本で最大規模の山小屋です。収容人数は現在800人(一時期1,200人)、次は槍ヶ岳山荘の400人、
白馬村営の白馬岳頂上宿舎の280人と続きます。白馬岳山頂近くの2軒で1080人という収容力を誇ります。白馬岳の人気ぶりがうかがえます。
・広大な受付棟、3つの宿泊棟(相部屋、個室、乾燥室、更衣室、自炊室など)、食堂(120席)、「スカイプラザ白馬」(本格的なレストラン、売店)、昭和大学医学部が運営する夏山診療所、郵便ポストなどがあります。
・ホテル並みの個室と本格的な和室もあります。2025年の夏山シーズンは、1泊2食付きの宿泊料は大人15,000円。ツインベッドルームは別に個室料金として18,000円必要ですので、宿泊費は合計24,000円/2人利用で1人当たりの料金。
・雲上のレストラン「スカイプラザ白馬」 大きな窓から杓子岳や白馬鑓か岳が望めます。軽食の名物は信州丼 (山賊焼き〜フライド・チキン&ソースかつ丼)。宿泊者の特別メニューとして提供する夕食のビーフシチューはこちらで食べられます。
・山岳遭難防止常駐隊による山岳相談所(受付棟の中で17:00〜19:00)
・白馬山荘から見える山; 正面左手にまず大きな杓子岳・白馬鑓ヶ岳。白馬鑓ヶ岳の右側奥に槍ヶ岳・穂高連峰(奥穂高岳・前穂高岳)。正面右手の旭岳、その左側奥に毛勝三山(けかちさんざん)〜毛勝山・釜谷山・猫又山、さらにその左側に剱岳・別山・立山。毛勝三山と剱岳・立山の間、はるか遠方に白山。

August 2025, HAKUBA SANSO LODGE Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年8月23日 (土)

<movie> 白馬岳 2025夏 (2) 栂池自然園から白馬大池、白馬岳へ / Mt. Shirouma-dake Summer 2025 (2) To Mt. Shirouma-dake from the Tsugaike Nature Park through Hakuba-Ohike (pond)

 

 

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栂池山荘(2010年宿泊)は小谷村の村営で個室、栂池ヒュッテ(今回2025年宿泊)は(株)白馬館で個室・相部屋が用意されています。いずれもお風呂がありますので、下山時に特にありがたいです。栂池ヒュッテに宿泊して驚いたのは、とにかくヒュッテ内各所に電源コンセントが多数あることです。それだけ宿泊者が多いのでしょうが、コンセントの争奪戦の中、実に助かります。

好天に恵まれた朝、栂池ヒュッテを出発。栂池自然園のある平坦部から急斜面・緩斜面・急斜面・緩斜面と登り、小さな残雪(標高約2,177m)を過ぎて、しばらく歩くと天狗原(平坦部)の休憩スポットです。栂池から白馬大池に至る登山道には、火山から噴出した溶岩が大きな岩となってゴロゴロと転がっており、登り降りに予想外に体力を消耗します。

栂池天狗原(てんぐっぱら)は、白馬乗鞍岳の山腹に位置し、標高約2,200mにある高層湿原です。池塘と呼ばれる小さな池が点在し、木道が整備されていています。天狗原の休憩スポットからは、白馬乗鞍岳の山腹に残る大きな残雪、急登の登山道、天狗原がよく見えます。8月になると高山植物はいつもほとんど終わっているようです。この急登の登山道をかなり登ったところから振り返ると、天狗原の全景と風吹大池に向かう木道がよく見えています。栂池に繋がる木道には多くの登山者が見えますが、風吹大池に向かう木道には人気がありません。ここから、風吹大池に一度行ってみようと思うのですが、なかなか機会がありません。木道の分岐点から、少し風吹大池方面に歩いて、天狗原を堪能するのもいいのかもしれません。

この大岩ゴロゴロの急登の登山道が終わるあたり、目の前には白馬乗鞍岳の広大な残雪が迫ってきます(標高約2,328m)が、この付近から登り降りする大勢の登山者で大混雑してきます。そして、その先には残雪をトラバースする区間があり、ここでも大勢の登山者で大渋滞です。この残雪区間は、白馬館のウェブサイト中「登山道状況」において逐次情報(アイゼンの必要性も含めて)が提供されています。

残雪を通過すると、ようやく平坦な道となりますが、大岩ゴロゴロは続き、白馬乗鞍岳のケルン(標高約2450m)に到着です。ここも大渋滞で、ケルンの前に座り込んでしまう人もいて、写真が撮れません(苦笑)。

 

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登山者の雑踏が少し途切れてきた頃に、道も緩やかな下りとなり、眼下に白馬大池と真っ赤な白馬大池山荘が見えてきます。もうすぐ! と思うのですが、相変わらず大岩ゴロゴロは続きます。明日登る小蓮華岳への稜線も見えてきて、明日への期待が膨らみます。

白馬大池は北アルプスの中では近くにある風吹大池に次いで2番目に大きな池です。湖面に白馬連峰を映す「雲上の湖」とも呼ばれています。池に魚は生息していませんが、クロサンショウウオが多く生息しています。もちろん池の周辺にはたくさんの高山植物が咲き乱れます。湖畔に咲き乱れるチングルマの大群落を通り過ぎながら、白馬大池山荘(標高2,380m)に到着です。

白馬大池山荘は男女別相部屋、携帯電話圏外・衛星公衆電話故障中・「山小屋Wi-Fi」無しでした。ちなみに、docomoは「船越の頭」に行く途中の標高2,400m付近からメールの送受信が可能になったような感じでした(晴天下)。メールをやりにちょっとそこまで行く、という感じではありません。

 

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翌朝、晴天の下、小蓮華岳・白馬岳へと出発です。山荘から稜線に向けて緩やかに登っていくと、すぐに最初の展望台です。雪倉岳など新潟県側の山々が初めて見えます。一方で、白馬大池の湖面が朝の陽光に反射してキラキラと輝いています。ここから「船越の頭」へ向けて緩やかな稜線を登っていきますが、途中個人の登山客にいつの間にかツアーの団体登山客なども加わり団子状態になって、「船越の頭」に到着です。ここでは信州側の岸壁も見えて、さらに渋滞がひどくなります。登山道もいつしか、大岩ゴロゴロがなくなり、歩きやすい道に変わっています。

「船越の頭」を過ぎて、登ってきた登山道を振り返ると、白馬大池・白馬乗鞍岳・風吹岳などが見えています。実は、このあたりには今は姿が見えない大きな火山(通称”白馬大池火山”と呼ばれています)がありました。この大岩ゴロゴロは、氷河期の寒冷な気候のもとで作られたと考えられていますが、同時に”白馬大池火山”の存在の証拠となっています。風吹岳周辺(風吹大池も含めて)には、”白馬大池火山”の新しい火山活動の特徴が見られますが、白馬大池・白馬乗鞍岳周辺には噴火口などもあまり残っていません。白馬大池自体も、”白馬大池火山”の火口ではなく、火山噴出物による堰き止め湖で、池周辺からの雪解け水や雨水が溜まっているだけです。

 

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次は小蓮華岳を目指します。正面には小蓮華岳、右手には残雪が残る雪倉岳などが、左手には信州側から上がってくる雲の中に白馬岳や白馬鑓ヶ岳の一部が見えています。小蓮華岳(2,766m)に到着すると、白馬岳から降りてくるインバウンドや日本のツアー客の3グループも到着で、山頂は大勢の登山者で大混雑というか大混乱(笑)、休む場所もありません。都心の繁華街にいるみたい(苦笑)。白馬岳エリアの人気の高さに驚きます。正面には白馬岳や杓子岳・白馬鑓ヶ岳(山頂付近には厚い雲がかかっている)や三国境が、右手には相変わらず雪倉岳などが見えています。

 

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小蓮華岳から一旦降って、三国境へ登り返す手前の鞍部付近で白馬岳山頂付近にしつこくかかっていた雲が急に切れて、非対称山陵の白馬岳山頂がちょうど見えてきました。三国境から最後の急登を登りきって山頂付近の平坦部にたどり着きますが、ここから山頂までが意外と遠いように感じました。山頂到着です。残雪が印象的な岩の塊のような旭岳が正面に見えます。ずっと見えていた雪倉岳はかなり後方に見えています。杓子岳や白馬鑓ヶ岳は厚い雲の中で、方向感覚がよくわかりません。意外なことに、山頂には常時5人程度の登山者がいるだけで、ちょっと拍子抜けでした。おかげでのんびりできて、今日の宿 白馬山荘へとゆっくり降りていきます。

  

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August 2025, Tsugaike Nature Park, Mt. Hakuba Norikura-dake, Hakuba-Ohike (pond) , Mt. Korenge-dake, and Mt. Shirouma-dake, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年8月16日 (土)

<movie> 白馬岳 2025夏 (1) 栂池自然園 / Mt. Shirouma-dake Summer 2025 (1) Tsugaike Nature Park

 

 

久しぶりに白馬方面に出かけてみました。今回は栂池から入山し、白馬三山を縦走し、猿倉へ下山の予定です。まずは、栂池植物園を目指します。

昨今、首都圏から白馬方面に行く場合は、(1)北陸新幹線で長野へ、特急バスで白馬八方バスセンターへ、(2)高速バスで直接白馬八方バスセンターへ(バスセンターからシャトルバスなどを利用して各地へ移動)、(3)マイカーが多いようですが、昔ながらのJR大糸線の旅で栂池を目指します。

JR中央線のあずさ5号(新宿発8:00、白馬着11:40)、大糸線普通列車(白馬発11:46、南小谷着12:05着)、小谷村コミュニティバス(アルピコ交通 南小谷駅発12:16、栂池高原着12:40)と、ほぼ乗換待ち時間がなく大糸線からの車窓を堪能しながら栂池に到着、最後に栂池ゴンドラリフト「イヴ」と栂池ロープウェイを乗り継いで約1時間、栂池自然園に到着です。

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前回の記憶があまりなかったのですが、ゴンドラリフトは、大きなチケット売り場・売店・お土産屋・軽食のお店が入った建物と、その背後にある乗り場のある建物と別でした(笑)。チケット売り場の入った建物の右サイドにカフェなどの軽食のお店が数軒あるようで、ここで休息ができました。

栂池ロープウェイ自然園駅(標高1,829m)からしばらく歩くと、栂池自然園に到着ですが、栂池ビジターセンター・栂池山荘・栂池ヒュッテの3つの ”巨大な” 建物が突然現れるので、ちょっとびっくりします。前回来たのも夏休みで、高山植物はほとんど咲いていませんでした。今年も梅雨明けが早く猛暑が続いていたので、あまり期待していなかったのですが、ワタスゲ(果穂)、クルマユリ、オニシモツケ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメなどはよく咲いていました。なお、時間の関係で(前回も行った)白馬岳の大雪渓が間近に望める展望湿原までは行きませんでした。

    

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栂池自然園のガイダンスによると、開園期間は6月上旬〜11月上旬。6月は残雪とミズバショウ・シラネアオイ・チングルマ・ニッコウキスゲの大群落、7月から8月は様々な高山植物、9月は湿原の草紅葉(くさもみじ)、10月の紅葉のピーク、最後にダケカンバの作る珍しい景色と、変化していくようです。他の季節にも一度訪れたら良いのかもしれません。

August 2025, Tsugaike Nature Park (Mt. Shirouma-dake area, Japan), Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S., iPhone 13

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2024年9月22日 (日)

<movie> 北アルプス 野口五郎岳, 水晶岳, 三俣蓮華岳, 黒部五郎岳 2024夏(8)~ 双六小屋から、鏡平山荘をへて、わさび平小屋へ / <movie> JAPAN ALPS Mt. Noguchigoro, Mt. Suisho, Mt. Mitsumatarenge and Mt. Kurobegoro Summer 2024 (8) ;  from SugorokuHuute to Wasabidaira Huute

     

 

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双六小屋、ここはまさに交通の要衝! 新穂高温泉から登ってくると、1)ここ止まりで、双六岳に登って天空の滑走路を楽しむのも良し、2)三俣蓮華岳から三俣山荘まで足を伸ばす、3)さらに足を伸ばして水晶小屋・水晶岳、あるいは裏銀座方面や黒部方面まで行く、4) 三俣蓮華岳から黒部五郎小舎・黒部五郎岳まで目指す、さらに太郎平、折立まで行く、5)西鎌尾根から槍ヶ岳に登り、上高地に降りるなど、さまざまなコースが考えられます。ここまで来ると、各地の高校山岳部の生徒さんも大勢見かけるし、行き交う登山者も多く、頻繁にご挨拶をします。

ちょっと可笑しいのは、こちらの山小屋で買ったTシャツを(たまたま)着て到着すると、受付で開口一番、Tシャツ! ありがとうございます・・・・、と受付のスタッフが嬉しそうに言ってくれることです。アットホームな感じでいいんでしょうね。

双六小屋はまさに双六小屋グループの”旗艦店”です。一番の驚きはトイレです。トイレットペーパーがふつうに流せる水洗トイレです!! ほとんど普段の日常生活の感覚で山小屋を過ごせます。どのような処理をしているのでしょうか。小屋の後に巨大な金属製の設備がありますが、これが処理装置でしょうか?

水は豊富なので、もちろん飲料水は無料で使い放題。バッテリー充電は無料ですが、コンセントがやや少ない感じです。ストーブのある乾燥室で本当に助かります。更衣室もあり。衛星公衆電話があります。docomoは、小屋の前で不安定ながらも電波が入りますので、メールは可能です。KDDIの「山小屋Wifi」の案内もありました。相部屋も特に変わらず、ふつうに過ごせました。

夕食は大盛りの天麩羅です。双六小屋グループでは連泊の割引はなく、夕食メニューが変わります。食堂が昨年までの畳から、真新しいテーブル・椅子へ改装されていました。人いきれで暑かったでした(笑)。

今年は、「ジャパン・トランス・アルプス・レース」(JTAR)の開催年で、あと数日でスタートでした。ここも黒部五郎小舎と同じようにレースのコース(~三俣蓮華岳〜中道~双六小屋~西鎌尾根~槍ヶ岳~)になっているので、スタッフの方に山小屋として何かイベントがあるのかどうか伺ってみました。同じく、トップグループの通過は夜であることが多いので、特にイベントの予定は無いとのことでした。今年のレースを見ると、先頭集団は黒部五郎小舎を夕方、双六小屋を21時ごろ通過していましたので、翌日の昼間でも選手たちの応援はできたようです。

小屋の前からは鷲羽岳が大きく見えています。鞍部にある小屋ですから、稜線で見るような日の出や日没は期待できません。

                        

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縦走も最終段階です。双六小屋から双六池を横目に見ながら、最後の登りにかかります。この日の朝も、盆休みを直前に控えた双六小屋への荷上げが急ピッチで進んでいるようで、小屋からおおよそ登り切った稜線からクロユリベンチ付近にかけて、ヘリの往復を4〜5回見ることになります。毎回飛行コースが変わるようで、突然現れて頭上を飛んでいったり、谷の中を飛んでいったり、運よく目の前を飛んでくれたり、毎回爆音に振り回されました(笑)。

クロユリベンチを含む稜線部、花見平のお花畑(今年も雪田は消失)、弓折乗越など、高山植物はもう終わっているというか、あまり咲いていませんでした。

                                  

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鏡平山荘到着です。味噌ラーメンやかき揚げうどんを食べたいなと思いながらも、時間が中途半端でかき氷と携行食の余りを食べて、トイレをお借りして終わってしまいます。鏡池から見える槍・穂高連峰もすっかり雲の中です。途中いくつもの涸れ沢を通り過ぎながら、熊の踊り場、シシウドヶ原、イタドリヶ原、チボ岩、チチブ沢と来ます。熊さんにも遭遇せずに無事通過です。シシウドヶ原やイタドリヶ原まで来ると、日陰がないことと、標高がかなり下がってきているので、下界の暑さをかなり感じてくるようになります。チチブ沢の水で、顔や腕を冷やして、最後の下りに出発です。西穂高方面も相変わらず雲の中です。

                         

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小池新道入口に到着、ブナの森を歩いてわさび平小屋に到着です。到着してまずやるべきことは、docomoが圏外なので衛星公衆電話で下山の連絡をすること、お風呂に入ることです。その後は、外のテラスでビールを飲んだり、携行食の余りを食べたり、山行日記の書き忘れを、書き加えたりします。流水で冷やされているトマト・きゅうり・スイカ・バナナ・オレンジなどを見て回ります。通り過ぎる人が皆、今年は少ないね! と言いながら流水でくるくる回る様子を眺めています。下山して緊張感が解けたためか、疲労感や筋肉痛を少しづつ感じています。

翌朝ものんびりと荷物整理をして、テラスのベンチで時間調整です。盆休みが迫る中、登山者が急増しているようです。この夏の山行も無事に終わりました。

 

August 2024  from SugorokuHuute to Wasabidaira Huute Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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