早朝の奥多摩駅から西東京バスに乗車、朝靄の中を丹波山村のお祭バス停で下車します。「三条の湯」の予約状況を見ると、紅葉シーズの真っ只中のはずですが、登山者の姿はごく僅かで、ちょっと拍子抜けです。お祭バス停の周辺には何もなく、雲取山登山口の鴨沢バス停と比べると雲泥の差です。
バス停から少し歩くと後山林道入口(三条の湯・雲取山・飛龍山登山口)です。後山川を高巻きにしながら林道は進みます。一般車通行止めゲートの片倉ゲートに到着です。お祭に比べて少し紅葉が進んでいる感じでしょうか。この日は、ここまで業務用車両と2、3台遭遇した程度でした。
片倉ゲートを過ぎると黄色の紅葉に加えて、赤い紅葉が増えてきます。後山橋を過ぎて塩沢林道分岐点に着くと、三条の湯の小さな案内板があります。さらに進むと、対岸に廃屋(作業場?)、道路工事の現場、東京水道(株)の作業所、道路工事の現場詰所などがあり、後山林道の終点に到着です。ここで小型トラクターで下山してくるご老人と出会います。荷物運搬ではないような感じで山菜取りの帰りでしょうか? ここまで出会った登山者は10名程度でした。
いよいよ登山道ですが、道幅は確かに狭くなりますが、一部を除いて緩やかな登りであることには変わりません。眼下には、滝や渓谷美が目に飛び込んできます。「やまなしの森林100選 三条谷の落葉樹林」という看板と巨木の付近が登山道のハイライトでしょうか。
「三条の湯」の手前の渓流まで到着。これから斜面をもうひと登りと思っていましたが、よく見ると、付近には作業場、テント場、斜面のちょっと上には山小屋が見えています(笑)。ちょっと意外な、あっけない「三条の湯」到着です。林道終点から30分ほどで到着でした。
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山小屋の受付で宿泊の手続きをします。こちらは管理人室・食堂、宿泊の部屋、水場、トイレなどがそれぞれ独立していて別の建物になっているようです。つまり、雨の日も夜間も部屋から食堂・水場・トイレに行くためには一旦”外へ”出なければならないので、特に夜のトイレなどは大変だなと思いました。宿泊の部屋は大部屋の「三ツ岳」で、古典的な作りの大部屋でした。今日の宿泊者は6人、紅葉の最盛期でほぼ満室のはずですが意外と少ない感じでした。
到着時間がまだ早かったので、先に温泉に入ってくださいと言われました。こちらでは、薪でお風呂を沸かしているとのことで、スタッフの男性がしばしば薪をかまどにくべたり、お湯加減を見ていました。一人で大変そうです。お風呂が沸くと部屋まで来て伝えてくれて、風呂まで案内されて、説明していただきました。もう至れり尽くせりで、この日はたった一人のスタッフで非常に忙しいと思うので、こちらの方が恐縮してしまいます。温泉は小さい内風呂のみ。泉質は硫化鉱泉、源泉温度は10℃と低いので完全に沸かし湯で、それも薪でお湯を沸かしている!(ちなみに、調理はプロパンガスです)湯の華もあり、かすかに硫化水素の香りもあり、お湯のぬるぬる感も大きいです。同宿の方の話では、薪は適宜くべてくれるそうですが、流石に夕方になるとお湯はぬるくなるようです。仕方がないですね。
温泉から上がって、少々遅い昼食を食堂で頂きます。ジビエ(鹿肉)カレーを頂きますが、ちょっと寂しいかな? という印象です。午後から天候が急に悪くなり、標高1,100mなのに意外と寒く感じ、マウンテン・ジャケットを着込んでしまいました。午後4時、件の小屋主さんが「三ツ岳」に来て、まき薪ストーブをつけてくれます。一人で本当に忙しい!
午後5時半、夕食です。雰囲気は似ていますが、ウェブサイトに出ている夕食と全く違います(笑)。まあ、季節によっても食材は変わるので、やむを得ないと思いますが・・・・。日本酒も頂きました。食後は、食堂が談話室に変わるのでそこでお話ししたり、部屋(三ツ岳)のストーブを囲んで歓談したりします。大部屋なのでやはり寒いし、やることもないので、たくさん着込んで早々と寝ることにしました。夜間、ヘッドランプをつけてトレイに行きましたが、それほど寒くはありませんでした。でも、天気予報が全く外れて、雨が降っていたのにはまいりました。
朝5時、部屋の照明が点灯します。朝食は5時半からです。朝も薪ストーブです。 昨夜はかなりの雨が降ったようで、今朝も天候不良、ガスっています。朝食後、小屋の周辺を散歩してみたり、テント場の様子を見に行ったりします。天気も良くないので、7時半には下山することにしました。途中、登山道の区間で、週末の応援でしょうか、登ってくる山小屋スタッフが1人いました。
お祭バス停で一休みですがベンチも何もないので、隣の西鴨沢バス停まで歩きます。ここにはバスの広い駐車(待機)スペースとベンチがあるので、のんびりとバスが来るのを待つことができます。
昼前には奥多摩駅に着いてしまいました。駅の2階のカフェ(PORT Okutama)でランチを食べます。カレーのメニューは5種類。前のグループが注文した5種類のカレーが厨房から次々と出てきます。どのメニューも見た目もおしゃれで美味しいそう! 思わず見惚れてしまい(笑)、どれを注文しようかと迷ってしまいました。スタッフの人からは、どうぞごゆっくり考えてくださいと、言われます。けっきょく、カツカレーとクラフトビール(黒ビール大)を頼んで、この2日間の山行をを思い出しながらのんびりと過ごしました。
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