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2025年10月11日 (土)

<movie> 初めての立山; (4) 雷鳥沢ヒュッテ 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (4) Raichozawa Hyutte, early autumn 2025

 

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一ノ越山荘で午前0時ごろから、強風により小屋の周囲で何かがバタバタと激しく動く音や、激しい雨音が聞こえてきました。午前5時に起きた時も、外の天候は変わらず。外に出てみると、ここはやはり風の通り道、吹き飛ばされそうな風の勢いで、慌てて小屋に戻ります。朝食後、五色ヶ原山荘は諦めてキャンセルの連絡、雷鳥沢ヒュッテの予約変更を行います。こんな天候でも、雄山への登山者が続々と室堂から上がってきます。

室堂は昨日十分堪能してしまったので、一ノ越山荘をのんびりと出発し、途中室堂ターミナルで時間を潰し、少し視界が開けてくるのを待って雷鳥沢ヒュッテへ出発です。みくりが池温泉まではすぐですが、それから先は登ったり降ったり、意外と遠く感じます。最後は谷筋に向かって降って到着です。室堂ターミナル〜雷鳥沢ヒュッテ間、40〜60分くらいでしょうか。

 

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霧の中に現れた”巨大な”雷鳥沢ヒュッテ! コンクリート4階建て/収容人数250名だそうです。外観は山小屋・山荘と言うよりはホテルです。

「雷鳥沢ヒュッテ」は、地獄谷に湧出する温泉を利用することで、室堂では外湯(半露天風呂)のある唯一の宿泊施設です。標高は2,400mあるので、日本最高所の露天風呂だそうです。
こちらは1947年にオープンした「房治荘」として始まります。立山黒部アルペンルート開設(1971年)に合わせて、1975年に現在の場所(ロッジ立山連峰の隣)に移転して「ニューフサジ」と名前が変わり、その後「雷鳥沢ヒュッテ」となったそうです。
「ニューフサジ(雷鳥沢ヒュッテ)」は優美な曲線が美しいですが、これは建築家の吉阪隆正氏によるものです。吉阪氏は早稲田大学建築学科卒業後、早稲田大学の学部長、日本建築学会会長、日本山岳会理事などを務めており、このアルペンルート沿いの建築物の設計をなされています。ただ、すでに50年ほど経過しているので、豪雪や火山ガスなどの過酷な環境の元でかなりの老朽化が進んでいるようです。

外湯 地獄谷温泉(雷鳥沢温泉)、源泉掛け流し 泥炭臭、泥のような濁り湯、単純酸性温泉。非常に熱いので水を自分で適当に入れて、適温状態にして入ります。衣類に強い臭いがついて、後が大変なようです。
内湯 300m先の採湯地から引いており、ボイラーによる加熱はしていない(沸かし湯ではない)と表記されています。こちらも非常に熱いので水を自分で適当に入れて、適温状態にして入ることになります。それでも熱いので長時間入っていることはできません。「温泉」とは明記されていませんが、微かに硫黄臭もして(タオルにも臭いが付きます)温泉のように思いますが、どうなんでしょうか?

部屋は4階の相部屋、何度も4階まで階段で上り下りします(苦笑)。
ヒュッテのスタッフから「熊がいるよ!」と言われて、宿泊者数人が急いでテラスにやってきます。この付近では成獣が2頭、子供が2頭確認されているそうです。この日は成獣2頭が見られました。かなりの距離がありますので私たちは呑気に眺めていられますが、下山中の登山者が付近にいたりテント場もあるので、緊迫した場面もありました。熊は草むらやハイマツの中でいつも何かを食べているようでしたが、移動する時はけっこう速いです。

熊を見ているうちにあっという間に時間が過ぎてしまい、夕食です。食事は松花堂弁当風の器で出てきました。再びテラスに出ると天候がやや回復していて、山々は美しい夕焼けに染まっていました。

 

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翌朝は再び激しい風雨に見舞われました。人影も少ない中、熊との遭遇を警戒しながら、無事に室堂ターミナルに到着です。アルペンルート、富山地方鉄道乗車中も、繰り返し激しい雨に見舞われます。今回は”山行”というよりも”旅行や観光”で終わってしまった気もしますが、一ノ越からの裏銀座方面の眺め、初めての室堂と立山、熊さん、地獄谷温泉(雷鳥沢温泉)と、まあ良かったのかな? と思いながら帰路につきました。

September 2025, Tateyama Raichozawa Hyutte Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年10月 6日 (月)

<movie> 初めての立山; (3) 一ノ越山荘 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (3) Ichinokoshi-Sanso LODGE, early autumn 2025

 

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「乗越 / 乗っ越し」(のっこし)は、山(登山)における峠、あるいは山の尾根を越える鞍部(あんぶ)を通る道のことを示す言葉です。「・・・・乗越」のような地名としても使われています。乗越は越(こえ、こし)などともいいます。
こちらでは一ノ越付近に小さな祠があり、そこから雄山山頂に向かってニの越、三の越、四の越とそれぞれに祠があり、五の越が頂上だそうです。雄山神社は越中国一之宮ですので、「一之宮の越」なのかもしれませんね。「一ノ越」(いちのこし)は、この地域で一番の(ご利益のある?)峠道という意味なのでしょうね。

一ノ越山荘に到着し、この峠から見る「表銀座」「裏銀座」方面に思わず見入ってしまいました。表銀座の燕岳・大天井岳、昨年縦走した裏銀座の真っ白な野口五郎岳・水晶岳、遠方に槍・穂高連峰、笠ヶ岳など、たくさんの山並みが見えて感動しました。裏銀座の烏帽子小屋からの縦走路では、ちょうど立山・剱方面が良く見えていましたが、どこのポイントが見えているのか良くわかりませんでした。

この一ノ越からは、北へは立山三山(雄山・大汝山・富士の折立・真砂岳・別山・剱御前)縦走コース、南へは浄土山・龍王岳・鬼岳を通って五色ヶ原・薬師岳へ、東へは東一の越を経て黒部湖(黒部ダム)方面へ、西へは登ってきた室堂へと道は繋がっています。登山者の大部分は、雄山へ行き交う人のようです。山荘は立山信仰の総本宮である雄山神社へ登る休憩所として60年以上前に開かれたそうです。

 

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この日は空いていたようで、相部屋予約でしたが実質個室としての利用でした。ロケーション的に中途半端で、今では宿泊する人は少ないのかも。ドコモの電波状況は屋内では不安定で、山荘の外、室堂に面した場所の方が安定しているようでした。小屋専用のwifiが利用できます。「越」なので風もけっこう強いです。

夕食は17時、クリームシチューでした。朝食は6時で、珍しくのんびりしています。長距離の縦走などで早い朝立ちをする人は、朝食は「弁当」なのでしょう。明日の天候に不安を感じながら、寝ることにします。

September 2025, Ichinokoshi-Sanso LODGE Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2025年10月 1日 (水)

<movie> 初めての立山; (2) 室堂 2025初秋 / My first trekking to Tateyama mountainous area, Japan Alps; (2) Murodo, early autumn 2025

 

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富山地方鉄道 電鉄富山駅5時50分(立山行き始発電車)に乗車、室堂ターミナル8時半到着で、スケジュールを組みます。立山黒部アルペンルート(立山ケーブルカー、立山高原バス)の事前ウェブ予約をすべきか、電鉄富山駅から室堂ターミナルまで通しで乗車券を買うか(電鉄富山駅窓口では、販売は前日15時までで間に合わず)、ずいぶん迷いましたが、そんなハイシーズンではないし、大丈夫だろうという勝手な予想で、予約なしの成り行きで出かけました。

駅前のホテルから電鉄富山駅 改札口に5時30分到着、その時点で20人ほど並んでおり、改札時には70〜80人程度に増えていました。立山駅には5分遅れで到着。到着した立山駅2階は立山ケーブルカー乗り場に直結。乗車券が無いので、1階のアルペンルート乗車券売り場に行って、立山高原バスも含めて購入。片道か往復か聞かれましたが、山行の日程(天候)とも関係するので、少々悩みました。美女平駅の高原バスは、7時40分発の増便が出て7時45分出発。室堂ターミナルに8時35分到着。予定通りでした。

「ホテル立山・室堂ターミナル」は、次のようなサービスが入居している複合施設です。
1階;立山黒部アルペンルートの乗車券売り場、黒四ダム・信濃大町方面への乗降口、待合室、売店、ゴミステーション、観光バスの乗降口、自然保護センターなど
2階;路線バスの乗降口、ホテル立山のレストラン、売店など
3階;ホテル立山 フロント、ティーラウンジなど
屋上;展望台など

室堂ターミナルの中は、朝にもかかわらず、登山客・観光客(団体さん、インバウンドなども)で大変混雑していました。8月中旬にミクリガ池を泳ぐ熊の画像がインターネットにアップされて驚ましたが、熊の出没地点、登山情報、火山ガス情報などが大きく張り出されていました。

 

 

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外の天候は高曇り、気温14℃、意外と暖かいです。今日1日は確実に天候は良さそうなので、とりあえず初めての室堂を一周してみます。ターミナルから、みくりが池展望台、みくりが池温泉、エンマ台展望台(地獄谷)、(少し戻って)血の池、みどりが池、立山室堂山荘、(再び)ターミナルと回ります。登山道というよりも散策路です。ただし、みくりが池温泉方面は意外と登り降りがあります。この周回路、見事な石畳です(笑)。細かい段差につまづいて転ばないように注意です。10時をすぎる頃から晴天となり、Tシャツ一枚でも過ごせるような陽気となります。草紅葉がかなり見られ、秋の訪れを感じさせます。

ホテル立山の標高は2,450mです。山岳リゾートホテルとしては日本一標高の高い場所にあります。このホテル立山(レストラン立山)で早めのランチをとります。チキンカツカレーとオレンジジュースです。

 

(一言メモ)
 アルペンルートの中継地点に当たる関西電力の黒部川第四発電所(黒四ダム)は、石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」でも非常に有名。1950年(昭和25年)ごろから関西地方の深刻な電力不足への対応として計画が持ち上がり、1956年(昭和31年)着工、数々の難工事と多大な殉職者を出しながら1963年(昭和38年)完成。
 一方、「立山黒部アルペンルート」建設の始まりは、1952年、富山県が産業経済発展のため、大規模な開発計画を策定したことが発端。その後、20年の歳月をかけて1971年全線が開通。
 これらの工事の進捗に併せて、建築家の村田政真氏による設計に基づき、ホテルの着工は1969年(昭和44年)、5年の歳月と平地の標準建設費の3倍に及ぶ資金を費やし、1972年(昭和47年)に営業開始。
 なお、ホテル立山は、2026年8月31日に宿泊サービスの営業を終了予定、レストランと売店は継続予定、宿泊事業は星野グループが引き継ぐと言われています。

 

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一休みして、快晴の中、一ノ越山荘に向けて出発です。登山道周辺で熊が頻繁に目撃されています。これだけ登山者が多いと、さすがに熊と正面から出会うことはないだろうと思いながら、対岸の山腹あたりにいないかな? と目を凝らします。振り返ると、室堂平とその後にそびえる大日岳がよく見えています。

やや傾斜が急な山道となりますが、相変わらず石畳は続いています。石畳の石が崩れないようにセメントで固めてあります。登山道というよりは、舗装道路のような感じです(笑)。山行初日で暑くてペースが上がらない中、いつの間にか一ノ越山荘に到着です。

September 2025, Tateyama Kurobe Alpine Route, Tateyama Murodo Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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