白馬岳 2025夏 (4) 番外編 / Mt. Shirouma-dake Summer 2025 (4) Side-story; sudden end of the trekking

栂池自然園から白馬大雪渓(2010/8)
船越の頭〜小蓮華岳間から白馬大雪渓 (2025/8)
昨日は、黄昏時の美しい山並みを存分に楽しみながら、明日の好天に期待を膨らませながら、眠りにつきました。
そして・・・・・、午前0時ごろ目が覚めると、屋外で風で何かがバタバタ動いているよう音が聞こえてきます。午前4時前、トイレに行くために廊下を歩いていると、激しい雨音と強風でバタバタと何かが動いている音が聞こえてきます。やはり予報通りの悪天候のようです。午前5時、朝食です。昨日の山岳遭難防止常駐隊の男性2名もすでに来られており、宿泊のみなさんがお二人を取り囲んでいました。
ところでこの日の悪天候は、梅雨明け以来ずっと続いた好天が一旦終わり、梅雨前線の南下に伴うものでした。実は、この悪天候は日本気象協会の2週間予報で北陸方面(北アルプス北部)ですでに予測されていました。白馬村の予報では、悪天候はたった1日(8月11日)ですが降雨量の予測は毎日20〜100mm/日以上と極端に異なり、10日以上先の予報でもあり私自身も日程変更やコース変更をどう判断すべきか、非常に困ってしまい、しばらくは様子見となりました。出発の日が近づくにつれて、降雨量は少なくなるものの、悪天候の日が1日から2、3日にのびる傾向があり、それもやや前倒しになる傾向が見られたので、出発直前に日程を1日短縮し、悪天候の前日に白馬鑓温泉小屋到着、悪天候の日に猿倉に下山という日程にしました。しかし結局、杓子岳・白馬槍ヶ岳・温泉小屋到達前に悪天候に巻き込まれてしまいました。
朝食を済ませてくると、すでに出発する宿泊者多数で、常駐隊の方から悪天候が長引きそうなので、今日すぐに大雪渓を下山するのが最善策と言われました。大雪渓がエスケープルートということです。昨日も、日程・ルート変更(予約の変更やキャンセルなども含めて)をいくつか考えていたのですが、悪天候の中での大雪渓の下山は考えていなかったので、ちょっと驚きましたが、しばらく考えて、このアドバイスに従うことにしました。もちろん大雪渓は初めてです。ザックのパッキングをやり直して、午前7時半、少し遅くなりましたが出発です。もうみなさん出発してしまったのか、宿泊者の数は少ないようです。みなさん、稜線コースで白馬大池・栂池に降るのか、大雪渓を降るのか、山荘に停滞・連泊か、まさか白馬鑓温泉小屋に向かうのか、どのコースが多いのだろうかなどと考えながら、外の状況を確認します。かなりの強風と雨で、躊躇しながらも出発です。
間近に見える村営の白馬岳頂上小屋が、意外と遠かったでした。大雪渓までの上部の岩場の降りの方が大変でした。ガスが濃くて視界は20mくらい? ロープの位置はおおよそ分かりますが、岩場の急斜面を雨水がかなり流れているので、どこを歩くべきか時々迷ってしまったり、とにかく焦らずゆっくりと降ります。2,3人のグループがいくつか自然と集まり10人くらいのグループのような感じで適当な距離感を置いて下っていきます。時々、ベテランの単独行の方が、さーっと追い抜いて降りていきます。避難小屋、2ヶ所の小さな木製の橋を過ぎて、ようやく大雪渓へと到着です。


大雪渓 休憩スポット (2025/8)
ここまでくると風雨もかなり弱くなりましたが、相変わらず視界は悪いです。落ち着いて周りを見渡すと、登ってきた人も含めて、かなりの登山者がいることに気が付きます。アイゼンをしっかり装着して、初めての大雪渓に臨みます。ここでも、なんとなく大グループができて、なんとなくみなさん順番に出発していきます。今年の大雪渓は久しぶりに雪の量が多かったと聞いています。見える範囲では大きな穴は1ヶ所、クレバスには気が付きませんでした。踏み跡はしっかりしているし、アイゼンを一歩一歩効かせて降る分には不安はありませんでした。途中の休憩スポットで一休み。雨も風も止んでいます。視界もかなり開けてきて、下界の方では薄陽が出ているようです。



大雪渓の末端部に到着です(実際には、この先でもう一度残雪区間に出くわします)。ここまでは、昔猿倉から登って来たことがあります。アイゼンを外して一休みです。通常の登山道を下って、旧白馬尻小屋(解体されて廃材のみ、トイレが新設)、林道に到着です。猿倉荘まで、この林道歩きが長く感じて、草臥れました。


白馬尻 (2013/8)
猿倉荘でも山岳遭難防止常駐隊の男性2名が、大きな相談窓口を開いていました。猿倉荘では、まず白馬鑓温泉小屋の当日キャンセルと猿倉荘の当日新規予約です。山小屋のグループ間での予約・キャンセルは、いろいろと融通を効かせて頂き助かります。夕食は豚肉の炒め物の定食です。お隣のグループも白馬鑓温泉小屋を中止して大雪渓を下ってきたとのこと。翌朝も、激しい雨でした。山頂付近(稜線)での悪天候はさらに続いていたようで、奇しくも2週間予報で出ていた当初の悪天候の日、同じルートでとうとう死亡事故が発生してしまいました。
今年は夏山山行もあっけなく終わることとなりました。
August 2025, "Hakuba Daisekkei” (Hakuba large snowy valley) Japan Alps, iPhone 13 etc.
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