ホテル偵察記 (Hotel & Watching) - フランス(France)

2020年8月28日 (金)

ホテル リッツ  (August 2002)リニューアル更新 (6) / Hôtel Ritz(Hotel Ritz Paris)(August 2002) Renewal (6)

       

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9) ホテル偵察 その2

 ホテルの中を見て回ると、実に分かりにくい構造です。このホテルには、135の客室と40のスイート・ルームがあります。私たちと同じ3階(日本風にいうと4階)には、ココ・シャネル、エルトン・ジョンと呼ばれるスイート・ルームがあります。2階にはセザール・リッツ、ソロ・スイートなどがありますが、閉鎖された部分も多く、部屋や廊下の配置が複雑怪奇です。1階の大半はインペリアル・スイートで、ダイアナ妃はここに泊まられたのかしら、と思いました。基本的にはヴァンドーム広場に面した部屋がスイート・ルームで、1階と2階に高級な部屋が集中しているようでした。

 また、スクエア・サイドの部屋とガーデン・サイドの部屋では別々のエレベーターを使用します。スクエア・サイド用はレセプションの前にあり利便性が図られています。

          

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10) リッツ・ヘルス・クラブ

 地下にあるリッツ・ヘルス・クラブに行きました。クラブのレセプションに立ち寄ると見学も可能とのことで、男性スタッフが案内してくれました。スイミング・プール、エクササイズ・ルームなど沢山の施設があり、それが複雑でまるで迷路のようでした。料金は無料です。
 見学の後、泳ぐ準備をして再度訪れます。改めてプール用のシャワー室入り口の案内をよく見ると、何と帽子が必要で、慌ててクラブのレセプションに戻り帽子を購入しました。ゴム製のシンプルな青色帽子に白のリッツ・ヘルス・クラブの文字があり、結果として良い記念グッヅとなりました。

 不思議な感じのプールです。楕円形のプールで長さ15m程度(17m x 8m)、周囲にはギリシャ・ローマ風の彫刻があり、やや薄暗い雰囲気です。天井は高く、奥の高い位置にはプール・バーがあります。監視人が一人います。地下のためか室温も低めです。プールの水深は最大2mで、底は人魚姫のタイル画になっていて、水中からは微かなBGMが聞こえてきます。
 しばらくして、イタリア人風の母子が泳ぎに来ました。中年の男性や数人の老人もプールサイドに休息に来ます。バーを見ると、プールとは関係なく、朝から軽食を取っている人がいます。予想外にクラブの利用者が多いのには驚きました。地上のリッツとはまた別の世界です。

         

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11) 夜のリッツ

 夜のヴァンドーム広場では、次々とやってくる観光バスから観光客が三々五々降り立ちます。

 広場をゆっくり歩きながらリッツを見ます。私たちはどこの部屋に居るのだろうか・・・・?。

 

 
12) 旅のおわりに

 ホテル・リッツの格式は、まずはスタッフの昼夜の礼装とセキュリティの厳しさに現われているようです。フランスの合理主義のためでしょうか、スタッフも非常にクールで合理主義的な印象です。ウェルカム的な浮ついた歓迎はありませんが、最初は取っ付き難い感じのスタッフも、話をしだすとジョークも交えながら親切でした。建物や内装にはやはり古さを感じますが、ヴァンドーム広場の美しさは生涯の思い出となるでしょう。

 それにしても最大の驚きは日本人宿泊客の多さかもしれません。

     

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「ホテル・リッツ」パンフレットより
From Ritz Paris 2002

     

13) 追記
 

木立玲子さん(ジャーナリスト)が、毎日新聞の日曜版に「欧州的成熟ライフ」という連載を掲載されていますが、2005年1月9日掲載で「リッツで華麗な夢を」という一文を書かれています。この記事から関連部分を紹介させて頂きます。

1)リッツの経歴: スイス人セザール・リッツが、18世紀建築の伯爵邸を改造して1898年に開業したホテルで、世界で初めて各室に浴室を備えたホテルとして評判が高まった。英国王エドワード7世、作家プルースト、ヘミングウェー、フィッツジェラルド、作曲家コール・ポーター、チャプリン、ココ・シャネルなどの定宿として知られる。ダイアナ妃と恋人ドディも悲劇的な死を遂げる直前まで滞在。
2)リッツの経営: 小説、映画へ出る頻度の高さやリッツ伝説など話題に事欠かないが、建物正面と所有美術品のほとんどが文化遺産であるために維持費が嵩み、経営は苦しかった。1979年に完全修復を条件にエジプト人富豪アル・ファイド氏(ドディ氏の父)が3000万ドルで買収し、修復工事に2億5000万ドルが投じられた。
3)リッツの接客モットー(リッツ広報部): 控え目、シンプルかつ礼儀正しく。見られたい人、見せたい人が泊まるホテルではない。
                                           

2005年 2月 13日


CONTAX 645 D35mm F3.5  P80mm F2 / Fuji PN400, REALA,NS160,  Fuji TIARA ix TITANIUM

      作成日 2003年 2月 1日、 最新更新日 2005年 2月 13日

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2020年8月26日 (水)

ホテル リッツ  (August 2002)リニューアル更新 (5) / Hôtel Ritz(Hotel Ritz Paris)(August 2002) Renewal (5)

      

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8) スクウェアサイド 335号室  (Room number 335 viewing Square side)

翌日、夕方ホテルに戻ると、526号室から、ヴァンドーム広場に面した335号室に荷物が移動されていました。

335号室ではベッドルームの壁には大きなタペストリーと窓には重厚なカーテンが掛かっていました。ベージュを基調とした落ち着いた内装です。パーソナル・ソファが暖炉の前に2つあり、夫婦で寛ぐことが出来ました。調度品が多く必ずしも広さは感じられませんが、雰囲気からしてビジネスマン向けのワンベッドルーム・スイートルームでしょうか?。

部屋の移動の際にキングサイズ・ベッドで良いかと何度も確認されました。確かに幅は108号室のベッドより狭いようですが、日本のクイーンサイズ・ダブルベッド程度の大きさがあるので全く不自由はしませんでした。ただここでもベッドの長さが気になりました。
またドアから部屋までのやや長い通路の両サイドに、クローゼットなどが配置されています。

 

 

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浴室(シャワー・ブース付き)と洗面所はかなり広く、大きな窓ガラスから明るい陽が差し込みます。ダブルシンクの蛇口が金のスワンでした。

  

  

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 ところで、「スクウェア・サイド」たる窓は、古めかしい二重ガラスの小窓で、窓を大きく開けるような開放感はありませんが、夜は明かりに照らされた美しいヴァンドーム広場を見ることが出来て、感動しました。

      
 最後の日の夕食は、この部屋でルーム・サービスをお願いしました。メニューはダイニング・ルームのメニューで、オニオン・グラタン・スープとペンネを注文しました。30分程度かかります、ということでしたが、25分で届きました。
 二人のスタッフがテーブルと料理を運んできて、窓際にセットしてくれましたが、大袈裟なテーブル・セッティングに驚きました。サービスでパンとバターも付いていましたが、たかがスープとペンネにどうしてこんなに沢山のフォークとスプーンが用意されるのか、不思議でした。でも、一輪差しの薔薇の花も素敵で、夜のヴァンドーム広場を眺めながらの食事に満足しました。

 

Hôtel Ritz Paris,  August 2002,  CONTAX 645 MFB-1B Distagon T* 35 mm F3.5 Planar T* 80 mm F2 / Fuji PN400, REALA, Film Scanner EPSON F-3200

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2020年8月25日 (火)

ホテル リッツ  (August 2002)リニューアル更新 (4) / Hôtel Ritz(Hotel Ritz Paris)(August 2002) Renewal (4)

           
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6) オペラ座サイド 526号室  (Room number 526 viewing l'Opéra, Palais Garnier)

 ブルゴーニュへの小旅行のため一旦チェックアウトをし、再度チェックインをしたところ、明らかにランクの違う部屋に案内されてしまったので、レセプションと交渉して部屋を変えてもらうことにしました。
 前泊の108号室のようにテラス・レストランが見える部屋を「ガーデン・サイド」と呼ぶようですが、ガーデン・サイドがすべて満室だそうです。明日以降は何とかするので、今晩は我慢して欲しい、と言われました。その後、部屋に電話が掛かってきて、明日以降はキング・サイズ・ベッドで良ければ、「スクエア・サイド」(かの有名なヴァンドーム広場に面した部屋)の部屋を提供したい、アップ・グレードです、と言われましたので、了承しました。そして、お詫びにと、部屋にシャンペンが届きました。

 それにしても・・・。
 小旅行のため、一旦チェックアウトをした際のレセプションのスタッフは、チェックインの時と同じ人で、朝なのでディレクターズ・スーツを着て、笑顔で冗談まじりに話し掛けてきました。TGVでディジョンへ行く、と言ったら、ディジョンはマスタードで有名な街、と教えてくれました。後半の予約を確認すると、何時頃チェックインか?と尋ねられたので、19時頃と答えました。その際に、後半も同じ部屋にして下さい、と言おうかどうか迷って、結局言わないでしまったら、これが後でトラブルの基になってしまいました。
 2度目のチェックインのスタッフは、運悪く全く知らない別の人でした。やはり希望ははっきりと言っておくべきだったとの苦い反省でした。

 ヨーロッパの伝統的な街並やホテルは、正面などの外壁は整然として美しくたいへん気持ちの良いものですが、その反面、意外と気になるのが部屋からの中庭などの眺めです。中層程度の部屋になると、当然ホテルの敷地以外の光景も眼に入ってきます。場合によっては見たくもないような汚い場所や、せっかくのムードをぶち壊しにするようなごちゃごちゃした光景を眼にすることもあります。隣の敷地に関してはもちろんホテルの責任を問いようがありませんが、宿泊客にすればホテルの印象と直結する大きな問題です。

 前泊の印象でなんとなく、このホテルの高層階は眺めが悪そうだと思いました。そこで高層階の526号室と言われ、嫌な予感がしました。スタッフはオペラ座が遠望出来る眺めの良い部屋です、と説明してくれましたが、納得出来ませんでした。おまけに窓の外には、廂の上に大嫌いな鳩の糞が溜まっているし・・・・。

  

     

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7) バー・ヴァンドーム (Bar Vendôme)

 夕食は本来ダイニング・ルームの「エスパドン」で頂きますが、ブルゴーニュの小旅行でディナーは飽きたので、「バー・ヴァンドーム」に行ってみました。
 涼しくて心地よい夜なので、室内ではなくてテラス席に座りました。軽食がありますか?、と尋ねると、アメリカン・クラブ・サンドイッチが用意出来る、というのでお願いしました。カプチーノを飲みながら、テラスの観察をすると、中程が植木で仕切られていて、奥はレストラン「エスパドン」のテラス席になっていました。今晩はテラス席のみの営業のようです。相変わらず、サービスの黒服のスタッフは多く、またハープの生演奏が行われていました。しかし、あのテラス席では高いお金を払ってわざわざディナーを食べる気にはなれませんでした。

 ヨーロッパの五つ星ホテルは、夏になると、ディナーは豪華な内装のダイニング・ルームからテラスに移動になるようです。去年、宿泊したイタリアのホテルもテラスで、少しがっかりした経験がありました。
 
 バーのテラスはリラックスしていて気持ちが良く、のんびりと寛ぐことが出来ました。しかし、正装のお客も多く、ディナーの帰りなのでしょうか?。夫の写真を撮っていると、先程のスタッフが来て、ふたりの写真を撮ってくれました。感じの良い、親切な人でした。

 

Hôtel Ritz Paris,  August 2002,  CONTAX 645 MFB-1B Planar T* 80 mm F2 / Fuji NS160, Film Scanner EPSON F-3200,  Fuji TIARA ix TITANIUM

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2020年8月24日 (月)

ホテル リッツ  (August 2002)リニューアル更新 (3) / Hôtel Ritz(Hotel Ritz Paris)(August 2002) Renewal (3)

              


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4) ホテル偵察 その1 (Hotel observation 1)

 正面玄関を入ると、奥にメインダイニングルームの「エスパドン」が見えます。ダイニングの入口に多数の黒服のスタッフを見ると、やや緊張します。
 
 ウナギの寝床状の長いブティック(ギャラリーとショーウィンドー)がありました。リッツブランドに加えて、多分どれもパリの老舗ブランドなのでしょうが、日本人には馴染みの薄いブランドが多いようです。知っていたのは、アルニス(紳士用品)くらいでしょうか。

 長いブティックのギャラリーとショーウィンドーをようやく通り抜けると、小ホールがあり、その一角に「ヘミングウェイ・バー」があります。ここはヴァンドーム広場から見ると最も奥にあたり、カンボン通りに面した裏玄関があります。夏の間は「ヘミングウェイ・バー」がお休みの為か、カンボン通りに面した裏玄関は施錠されていて、出入りできませんでした。カンボン通りにあるシャネルは、昔ココ・シャネルがホテル・リッツから通ったブティックなのでしょうか?。

 またこの小ホールにはエレベーターがあり、ダブル・ルームの客室がこちらにもあるようです。ここから階段で2階に上がって、いつの間にか迷い込んだ不思議な細長い廊下を延々と歩いて行くと、突然108号室の近くに出て驚きました。

              


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5)メインダイニングルーム 「エスパドン」(Main Dining room " L'Espadon " )

 朝食は、ダイニングルームであるレストラン「エスパドン」で頂きます。インテリアは豪華な内装(フランス古典主義?)で、黒服のスタッフが大勢いて圧倒されます。給仕長は燕尾服(ホワイトタイ)の長身の男性で、初日は取っ付き難い感じでしたが、2日目以降、仲良くなってしまうと、面白い感じのおじさんでした。

 朝食のメニューは、リッツ風、アメリカン、コンチネンタル、フィットネスの4種類とアラカルト・メニューがあります。アメリカンを注文すると、

   コーヒー、紅茶、ココア、ハーブティー、ミルク、ジュース

   パン、シリアル、ジャム、ママレード、蜂蜜、バター

   ヨーグルト、フルーツ・サラダ

   卵料理&ハムまたはソーセージ

 卵料理は種類を選ぶことが出来るので、プレーン・オムレツを注文しましたが、少々堅くて持て余してしまいました。2日目は軟らかめに、とお願いしました。また、マッシュルーム入りオムレツ、と自分の好みで注文することも出来ます。しかし、全体としてメニューは豊富とは言えません。

 ジュースは色々ありますが、お気に入りはミントの葉が入ったミックス・ジュース(マンゴーとオレンジ)です。ミントの味が何とも言えない爽やかさでした。コーヒーや紅茶は銀のポットに入っていて、お代わりをすることも出来ます。私たちはパンが大好きで何時も籠いっぱいのパンを食べますが、最後の日には籠の他にお皿にペストリーが用意されていて、嬉しいことでした。

 朝食時のダイニング・ルームは、大勢の日本人客がいて驚きました。卵料理のオーダーがたくさん入ると、かなり時間がかかっているようで、卵料理の出来るのが遅いとクレームをつけている外国人もいました。また待ちくたびれて席をたつ日本人の団体客もいました。

                   


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Hôtel Ritz Paris,  August 2002,  CONTAX 645 MFB-1B Planar T* 80 mm F2 / Fuji PN400, Film Scanner EPSON F-3200,  Fuji TIARA ix TITANIUM

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2020年8月23日 (日)

ホテル リッツ  (August 2002)リニューアル更新 (2) / Hôtel Ritz(Hotel Ritz Paris)(August 2002) Renewal (2)

  

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3) ガーデンサイド 108号室 (Room number 108 viewing the inner court)

 デラックス・ダブル・ルームです。お部屋は108号室で、日本風に言えば2階です。部屋のカーテンとベッドカバーは濃い目の渋い青、壁はクリーム色、そして、ドガの青い服を着た女性の絵の模写が、ベッドの頭の上の壁に飾ってあり、落ち着いた雰囲気の部屋でした。
 ベッドは、たいへんゆったりとした幅を持っているにもかかわらず、何故か長さがありません。けっして長身ではない私たちにも丁度良い程度の長さです。欧米人には短くないのでしょうか?。

 天井のシャンデリアは、イタリアのヴェネティアングラス製のシャンデリアと比較すると、やや地味です。そして、机が2つあり、一つには化粧用の小さな三面鏡が載っていて、もう一つにはパソコン用のキーボードが載っていました。これはどう使うのでしょうか?。
 しかし、パーソナル・ソファーが一つしかないので、夫婦連れには不便でした。

 

      

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 洗面所は、ダブル・シンクで、蛇口が銀のスワンでした。浴室には、シャワー・ブースはありませんでしたが、ピンクのカーテンが掛かったバスタブは大きくて、のびのびと手足を伸ばすことが出来て寛げました。バスタブのお湯を貯めるバルブにちょっと戸惑いました。そして、色々な大きさのタオルがたくさん用意されていて、タオル、スリッパ、バスローブにはリッツ・パリの大きな紋章が刺繍されていました。タオルを手に取ると、いつも温かいので、不思議に思いましたら、タオル掛けがスチーム(過熱装置つきラック)になっていました。

 

   

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 大きな窓からはテラス・レストラン(「バー・ヴァンドーム」のカフェ・テラス)が真下に見えました。夜になると彫刻とライトアップが調和した美しいテラスでした。そして、奥には、隣の司法省の手入れの行き届いた美しい中庭が広がっていました。
 
 また部屋を出てちょっと廊下を歩くと、そこはもうプレステージスイートの入口で、驚いてしまいました。

   

  

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Hôtel Ritz Paris,  August 2002,  CONTAX 645 MFB-1B Distagon T* 35 mm F3.5 Planar T* 80 mm F2 / Fuji PN400, REALA, NS160, Film Scanner EPSON F-3200

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2020年8月22日 (土)

ホテル リッツ  (August 2002)リニューアル更新 (1) / Hôtel Ritz(Hotel Ritz Paris)(August 2002) Renewal (1)

    
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Google Mapより

  

はじめに (Introduction to the renewal version)

憧れの「ホテル・リッツ・パリ」のリニュアール更新版です(オリジナル版はこちらへ )。内容的な変更はなく、画像のフィルムスキャンをもう一度やり直して、若干画像を差替え・追加しています。

2002年8月、前半2泊、後半3泊と分けて、ガーデンサイド108号室、”オペラ座サイド”526号室、スクウェアサイド335号室の3室を体験しました。建物や内装にはやはり古さを感じましたが、メインダイニングルーム「エスパドン」、「バー・ヴァンドーム」のカフェ・テラス、リッツ・ヘルス・クラブ、ウナギの寝床状の長いブティック、夜のリッツなど思い出いっぱいです。

ホテル・リッツの格式は、まずはスタッフの昼夜の礼装とセキュリティの厳しさに現われているようです。フランスの合理主義のためでしょうか、スタッフも非常にクールで合理主義的な印象です。ウェルカム的な浮ついた歓迎はありませんが、最初は取っ付き難い感じのスタッフも、話をしだすとジョークも交えながら親切でした。リッツの接客モットーは控え目、シンプルかつ礼儀正しく。見られたい人、見せたい人が泊まるホテルではないそうです。

ちなみに2010年秋にフランスのホテル格付け基準が変更され、5つ星を上回る最上級ランクとして「パラス」が設けられました。「パラス」に選ばれるには、ホテルが歴史的建造物にあり、卓越した建築と装飾を備え、最高水準のサービスとインフラを提供し、仏高級レストランガイド「ミシュラン」で星を獲得したレストランがホテル内にあり、客室1室あたり2.75人以上の従業員を抱えているなどの多くの条件があり、リッツはその基準に見合うよう2012年に閉館して大改装し、2017年に再開業しました。

5年にわたる大改装により、私たちの思い出も消え去った過去のこととなってしまいましたが、ヴァンドーム広場の美しさは生涯の思い出となるでしょう。

   

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1) ヴァンドーム広場とホテル・リッツ (Place Vendôme and Hôtel Ritz)

ヴァンドーム広場、パリで最も美しい調和を見せている広場と言われ、周囲の建物にはルイ14世時代の面影が忍ばれるそうです。広場は、17世紀初めにルイ14世の栄光をたたえて、建築家マンサールによって設計されて造られました。当時は、ルイ14世自身の巨大な騎馬像がありましたが、フランス革命(1895年)の際に破壊されたそうです。現在ではナポレオンのオーステルリッツ戦勝の記念柱が、広場の中央に立ち、ナポレオン像が広場を見下ろしています。ただあまりにも像が高い位置にあるので、肉眼では像の詳細は良く分かりません。

ヴァンドーム広場の周囲には、司法省、ナポレオンの王冠を作成した宝飾店などの高級宝飾店、そしてホテル・リッツがあります。宝飾店ショーメのある場所では、かつて音楽家のショパンが住んでいたそうです。

ホテル・リッツは、建築家アルドゥアン・マンサールにより設計され、1898年6月1日に創業し、現在もエレガントに格式と伝統を堅持しているホテルと言われています。かつてココ・シャネルが住んでいたスイートルームがあることでも有名なほか、ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘップバーン主演の名作映画「昼下がりの情事」の舞台になるなど、多くの小説や映画の舞台になっています。しかし今では、衝撃的な死を遂げた英国王室のダイアナ妃が、最後を過したホテルとして印象的です。

いよいよ憧れのホテル・リッツの探検です。

  

  

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2) リッツ 到着 (Arrival to Hôtel Ritz)

予約は、ホテルと何度かメールのやりとりをした後、お願いしました。部屋のランクや料金は、ホテルのホームページには掲載されていないので、問い合わせをしたところ、MS-WORDの添付ファイルで送られてきたので、少々驚きました。ホテル・リッツが属する The Leading Hotels of the World のホームページからも予約は出来ますが、ホテルに直接問い合わせる人は少ないのでしょうか?。

ちなみにホテルのランクは大きく、ダブル、ジニアスイート、ワンベッドスイート、サウナ&ジャグジー付きスイート、プレステージスイートの5つに分けられ、それぞれがさらに細かく区分されています。スイートルーム以外の普通のダブルルームは、クラシック、スーペリア、デラックスという単純な区分です。8月の料金はMINIMUM  RATESでした。

なお予約時のクレジット・カード情報はセキュリティがはっきりしないので、メールではなくFAXにしました。予約確認に際しては、予約番号と空港までの送迎の案内(ベンツ / リムジン)が来ました。

ホテル業界における原則は、「人は見かけによる」だそうです。36℃の酷暑の東京からの長旅では、途中で着替でもしない限り、何を着て行ってもよれよれになってしまいます。それでもいろいろと工夫して、フォーマルに過ぎず、カジュアルに過ぎず、そのバランスに苦労しながら出来るだけセンス良く(?)ビシッとした服装で出発しました。

さて、ヴァンドーム広場に面した正面玄関を回転ドアから入り、右手のコンシェルジェの奥にあるレセプションでチェックインをします。スタッフに名前を告げると、既にコンピューターから数枚の書類がアウトプットされていて、クレジット・カードとパスポートの確認があり、署名をして、あっという間に完了です。書類には予約時にメールしたこちらの情報が記入されており、その下半分にはおそらく約款と思われる文章が書かれているのですが、さすがに読んでいる時間はありませんでした。対応は非常にクールで合理主義的な印象です。
(ふとロビーを見渡すと、軽装でチェックインする人達もけっこういるではないですか・・・。)

そして、そのスタッフが部屋に案内してくれました。内心、彼の美男子ぶりに圧倒されました。やはり、フランスは容姿で勝負なのでしょうか!。年令は20代後半、身長は190センチ位の長身で細身、金髪、クールなルックス、そして、夕方なので燕尾服?(ブラックタイでしたが、どう見てもタキシードではありませんでした)を着用していましたが、その服装がたいへん板についていました。

   

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Hôtel Ritz Paris,  August 2002,  CONTAX 645 D35mm F3.5  P80mm F2 / Fuji PN400  REALA  NS160 Film Scanner EPSON F-3200,   Fuji TIARA ix TITANIUM

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2007年5月19日 (土)

パヴィヨン・アンリ4世 / サン・ジェルマン・アン・レー (Pavillon Henri IV , ST GERMAIN EN LAYE) 2006.5

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 今回のパリ滞在では市内の雑踏を避けながら少し趣を変えて、パリ郊外いわゆるイル・ド・フランスで気の効いたホテルに泊まりたいと思って、パヴィヨン・アンリ4世を選びました。所在地はRER(高速郊外鉄道)のA1線終点サン・ジェルマン・アン・レー駅下車、徒歩5、6分程度でしょうか。パリ中心部のメトロから乗車してホテルまで30〜40分程で、手頃な距離と時間でした。

 季節によるのかもしれませんが、ホテルのスタッフは最小限しかいなかったので、サービスは良くありませんでした。しかしパリ郊外の落ち着いた上品な街の雰囲気に加えて、ブルボン王家の城館の雰囲気とテラスからのパリの展望が秀逸です。

 ヴェルサイユ、マルメゾンも近く、駅前からバスも出ています。アン・レーの観光スポットにはサン・ジェルマン・アン・レー城(国立考古学博物館)と庭園、プリウレ県立美術館(フランス象徴主義の画家モーリス・ドニの旧アトリエ)、作曲家ドビュッシーの記念館があります。また周辺の高級住宅街も一見の価値ありです。

※以下、全文を読む。(Continue)

撮影機材
ONTAX 645,   Planar T* 80mm F2  / Fuji PN400 , CONTAX TiX S28mm F2.8

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2007年5月18日 (金)

シャトー・ド・ジィー / ブルゴーニュ (Chateau de Gilly, Bourgogne ) 2002.8

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 フランスのワインに興味があり、ブルゴーニュのワイナリーを巡りつつ、古城ホテルも楽しもう、という計画を立てました。パリからTGVで約一時間半でディジョンに到着します。ディジョンは中世、「ブルゴーニュ大公国」の首都であった街です。駅前からタクシーに乗り、ディジョンから20分でホテルに到着しました。
 このホテルは14〜18世紀にシトー修道会の修道院長館であった建物で、長い間荒れるに任せていましたが、1988年にホテルとして蘇ったそうです。森の中にひっそりとたたずむようなイメージで行きましたが、意外と村の真ん中。シャトーと言っても領主のお城ではなく僧院ですので、まあ、こんなものかもしれません。
 ブルゴーニュ、その中でもコート・ドー(黄金の丘)には、「ロマネ・コンティ」をはじめとする有名な高級ワインの葡萄畑が続いています。ボーヌ(「ワインの首都」とも呼ばれている街)で購入した葡萄畑の地図を見ていたら、ロマネ・コンティの畑のあるヴォーヌ・ロマネ村は、ホテルから意外と近いことに気がつきました。時間があれば1日かけて、ホテルからヴォーヌ・ロマネ村まで散策やサイクリングをしながら、ワインと食事も楽しみたいものです。

※以下、全文を読む。(Continue)

撮影機材 
CONTAX 645,   Planar T* 80mm F2,  Distagon T* 35 mm F3.5 / Fuji PN400,  REALA,  NS160,  Fuji TIARA ix TITANIUM

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ホテル・リッツ/ パリ (Hotel Ritz / Ritz Paris)  2002.8

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 ヴァンドーム広場、パリで最も美しい調和を見せている広場と言われ、周囲の建物にはルイ14世時代の面影が忍ばれるそうです。広場は、17世紀初めにルイ14世の栄光をたたえて、建築家マンサールによって設計されて造られました。当時は、ルイ14世自身の巨大な騎馬像がありましたが、フランス革命(1895年)の際に破壊されたそうです。現在ではナポレオンのオーステルリッツ戦勝の記念柱が、広場の中央に立ち、ナポレオン像が広場を見下ろしています。ただあまりにも像が高い位置にあるので、肉眼では像の詳細は良く分かりません。ヴァンドーム広場の周囲には、司法省、ナポレオンの王冠を作成した宝飾店などの高級宝飾店、そしてホテル・リッツがあります。宝飾店ショーメのある場所では、かつて音楽家のショパンが住んでいたそうです。

 ホテル・リッツは、建築家アルドゥアン・マンサールにより設計され、1898年6月1日に創業し、現在もエレガントに格式と伝統を堅持しているホテルと言われています。かつてココ・シャネルが住んでいたスイートルームがあることでも有名なほか、ビリー・ワイルダー監督、オードリー・ヘップバーン主演の名作映画「昼下がりの情事」の舞台になるなど、多くの小説や映画の舞台になっています。しかし今では、衝撃的な死を遂げた英国王室のダイアナ妃が、最後を過したホテルとして印象的です。
 
 また、木立玲子さん(ジャーナリスト)が、毎日新聞の日曜版に「欧州的成熟ライフ」という連載を掲載されていますが、2005年1月9日掲載で「リッツで華麗な夢を」という一文を書かれています。この記事からも関連部分を紹介させて頂きます。

 1)リッツの経歴: スイス人セザール・リッツが、18世紀建築の伯爵邸を改造して1898年に開業したホテルで、世界で初めて各室に浴室を備えたホテルとして評判が高まった。英国王エドワード7世、作家プルースト、ヘミングウェー、フィッツジェラルド、作曲家コール・ポーター、チャプリン、ココ・シャネルなどの定宿として知られる。ダイアナ妃と恋人ドディも悲劇的な死を遂げる直前まで滞在。
 2)リッツの経営: 小説、映画へ出る頻度の高さやリッツ伝説など話題に事欠かないが、建物正面と所有美術品のほとんどが文化遺産であるために維持費が嵩み、経営は苦しかった。1979年に完全修復を条件にエジプト人富豪アル・ファイド氏(ドディ氏の父)が3000万ドルで買収し、修復工事に2億5000万ドルが投じられた。
 3)リッツの接客モットー(リッツ広報部): 控え目、シンプルかつ礼儀正しく。見られたい人、見せたい人が泊まるホテルではない。

 いよいよ憧れのホテル・リッツの探検です。

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撮影機材 
CONTAX 645,   Planar T* 80mm F2,  Distagon T* 35 mm F3.5 / Fuji PN400,  REALA,  NS160
Fuji TIARA ix TITANIUM  

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2007年3月19日 (月)

パリのホテル 2 (Paris, France)

France_3

 この2枚の写真、同じホテルのものです。一枚目(前回)は、オリジナルのダブルルーム(二人用)で間違いないと思いますが、二枚目(今回)はよく分かりません。やや上のランクの、シングルルームのダブル利用の可能性があります。もちろん、日本人にはベッドの大きさは全く問題ありませんが・・・・。ツインのシングル利用は、良くある話ですね。ベッドの雰囲気だけでは、部屋のランクは分からないようです。

撮影機材 CONTAX 645,   Distagon T* 35 mm F3.5,   Fuji  Pro 400 (PN 400)

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