カメラ回顧録

2023年12月13日 (水)

フィルムカメラ時代の名残り2点

 

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年末の大掃除を行っていると、フィルムカメラ時代の名残り(X線防止袋とダークバッグ)が出てきました。

航空機に乗る際には手荷物などのX線検査が必ずありますが、昔はフィルムが感光しないように、鉛の入った(X線を通さない)X線防止袋にフィルムを入れていつも検査を受けたものでした。2001年の9.11テロ事件以降は、荷物検査が非常に厳しくなり、X線防止袋に入れていても出すように指示されて、目視検査もせずにそのままX線検査に直接通されてしまうことが多かったでした。非常に強力なX線検査装置が導入された空港もあったようですが、私の場合はたまたま渡航先の関係か低感度フィルムであったためか、運良く未現像も現像済みでもフィルムにダメージは無かったようでした。

CONTAX645での直近のフィルム撮影は2022年4月ごろ、35mmフィルムでは2020年1月ごろでした。ブローニュ・フィルムに関しては、常用であった220タイプも製造中止になり、お気に入りのフィルム(種類)も順次無くなり、手持ちのストックが無くなった段階で、撮影も中断していました。

ところで先日、家電量販店でようやく富士フィルムの銀塩フィルムが入荷していると思って価格を見ると、眼が点になりました。ブローニュの120タイプ 富士フィルムやコダックのネガ・ポジが15,000~22,000円(5本パック)!!、コダックのモノクロが約15,000円(5本パック)!!、富士フィルムのモノクロ アクロスが約2,300円(1本)!、インフォールドなどのモノクロが1,000~1,500円(1本)程度です。富士フィルムも価格が2倍ほどになっていますね(笑)。CONTAX645では120タイプで16枚/1本撮影可能ですから、5本で80枚(コマ)。1枚当たり約200円~300円+現像代です。アクロスでは1枚当たり約140円。

これを見るとカラーのネガ・ポジはもう買えないですね。せいぜいアクロスかインフォールドか? いずれにしても、銀塩フィルム&カメラを持って海外旅行に行くことなど無さそうですので、2つ残っていた思い出深いX線防止袋は廃棄しました。

 

 

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「ダークバッグ」は文字どおり「暗い袋」で、暗室(darkroom)の代用をする袋のことでした。真っ黒に遮光してある袋で、両手を入れて作業をするための袖口と、二重に遮光された開閉部とがあります。当然ながら遮光性は完璧です。

ダークバッグは、フィルムカメラのトラブル(カメラ内でフィルムが切れたりした場合に、カメラの裏ぶたをダークバッグ内で開けてフィルムを取りだし、パトローネ内にもう一度巻き戻すなど)やシートフィルムの装填、携帯用簡易暗室としてフィルム現像に欠かせないものでした。その昔、35mm一眼レフカメラを使用していた時には、時々使っていました。ただ、CONTAX645に関しては使ったことはないです。

これも2個出てきました。作りはしっかりしていますので、意外と嵩張ります。なんだか分からないような写真ですが、両手を入れる袖口を上にして撮っています。袋の素材が違うのが分かると思いますが、右は生地が綿と思われ、重たいです。左は光沢があるのでナイロン系の生地と思われ、軽いです。綿の方が古いのかもしれません。

本来の意味で使うことはもう無いはずですが、備品の保管袋になるかもしれないと思って、もうしばらく残すことにしました。

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2023年10月14日 (土)

ニコンミュージアム 2023年10月

 

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久しぶりにニコンミュージアムに立ち寄りました。

企画展は「AI NIKKORの魅力 ニコン社員による写真展」、今のミュージアムでの最後の企画展のようです。どこかで見た記憶がある写真がいくつもありました。一番気に入ったのはチラシの左上にある、花びらの水滴の中にさらに花全体が写っている写真です。とにかく水滴が美しい! 花の種類は分かりませんが、これを狙って花を探したのでしょうね。

常設展も少しずつ変わっていますね。今回はNikon F, F2, F3 が気になりました。昔のカメラは今のデジタルカメラと比べて本当にメカっぽいですね。ZfcやZfのデザインについて百家争鳴ですが、私は憧れの(?)F3T(チタンカラー)だったらと、一人勝手に夢想しています。

 

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この憧れのF3T(チタンカラー)を中古で買いましたが、なんと短期で手放してしまいました。FシリーズはF, F2, F4系をかなり使い込みましたが、いざF3Tを手に入れてみると、なんと使い方を忘れていました。ショックでした。また、使い始めてみると、手動によるフィルム巻き上げに違和感が大きすぎてダメでした。21世紀になってからもフィルム一眼レフはNikon F4, CONTAX aria, CONTAX645(今でも現役)と使いましたが、いずれもフィルムは自動巻き上げ式でした。その後のデジタルカメラも含めて、露出制御やAFに関しては新旧どのカメラに関してもそれなりの順応性がありましたが、フィルム巻き上げだけはダメだったというのは意外でした。

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2022年11月 5日 (土)

ニコンミュージアム企画展「光学ガラスの軌跡」


 
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新型コロナ感染症の影響もあり、随分と久しぶりに品川のニコンミュージアムに行ってみました。各種の光学ガラス・合成石英ガラス・人工蛍石の実物の展示があったりして、普段あまり見られないような物もあり、なかなか興味深かったでした。その中でも、目を引いたのが「アッべ図から見る光学ガラスの進化」でした。

 

実はもう40年ほど前にニコンの方が、同じような図で光学ガラスの研究開発の結果を説明されていました。
「最近の光学ガラスの動向とレンズ」 日本光学工業 苅谷道朗・飯塚 豊,  写真工業 ,1982, 7月号, 特別記事, pp.22-30

内容は以下のようなもので、数式、光学ガラスnd(屈折率)ー vd(アッベ数)分布図、vd(アッベ数)ー 部分分散比図、光学設計とレンズ構成など、かなり専門的な解説がなされていました。
1 はじめに
2 最近の光学ガラスの開発 ・低屈折率低分散ガラス ・中屈折率低分散ガラス ・高屈折率低分散ガラス ・高分散ガラス 
3 種々のレンズ ・望遠レンズ(異常部分分散ガラス) ・高倍率ズームレンズ ・大口径比標準レンズ ・ショートズーム リアコンバーター


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この1982年というと、Nikonでは F3/F3HP/F3Tなどが、CANONではNew F-1が発売された頃です。

 
当時憧れの的であった高価な超高性能望遠レンズ~CANON new FD 300/2.8L, 400/2.8L, 500/4.5など、Ai Nikkor ED (IF) 200/2.0, 300/2.8, 400/3.5など~ その使用されている低屈折率低分散ガラスについて、光学ガラスnd(屈折率)ー vd(アッベ数)分布図を用いて説明されているのが非常に印象的でした。当時は、図の左下側にあるPC102という低屈折率・低分散・異常分散のフッ化物リン酸塩ガラスが各社の望遠レンズに実用化されており、フッ化物の含有量を増やしたより低屈折率低分散のFC21は、望遠レンズ用の大きな塊を製造するのがまだ困難という説明がなされていました。この憧れのNikkor EDレンズ、私自身はAi ED 180mm F2.8S(1981年10月発売)でようやく手にすることができました。

 

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この新旧の「アッべ図」を比較すると、新しい図では光学ガラスの進化として蛍石・低屈折率低分散(ED)ガラス・合成石英ガラス・高屈折率ガラス・特殊高分散(SR)ガラスが挙げられています。EDガラスの右側は従来からの通常タイプ、蛍石に近い左側はスーパーEDガラスでしょうか? 蛍石との違いも分かり易いです。高屈折率ガラスもLADF42以外に非常に増えています、特殊高分散ガラスもDF32に加えてバラエティに富んでいますね。

これらはニコンの立場からの解説ですが、キヤノンの解説もあると面白いですね。

 

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2020年6月 7日 (日)

「アサヒカメラ」休刊

1926年4月創刊のアサヒカメラがこの6月19日発売の7月号を最後に休刊(実質の廃刊)になるそうです。
私も昔は随分とお世話になりましたので、感慨深いものがあります。原因はいろいろと言われていますが、これも時代の流れなのでしょうね。

アサヒカメラの関連でいちばん思い出深いのは、初めて買ったカメラの雑誌(書籍)であるアサヒカメラ臨時増刊「写真入門」(1971年5月発売、定価360円、約300ページ)です。カメラ・写真の教科書として何十回もページをめくった記憶があります。今では製本も痛んで注意しないとバラバラになりそうな状態です。カメラ雑誌は随分と処分しましたが、これは記念として残してあります。

 

 

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ここの広告で掲載されている主要メーカーの機種は以下の通りです(括弧書きは当時のフラッグシップ機)。


掲載順に、Mamiya Universal Press, Minolta SR-T101, Fujica ST701, Nikomat FTn (Nikon Photomic FTn), Asahi PENTAX SP, 同 6x7, CANON FTb (CANON F-1) , OLYMPUS 35DC (OLYMPUS Pen FT)などでした。「写真入門」ですのでNIKON やCANONは一般向けのNikomatやFTbを広告に出したのでしょうね。当時の価格(定価)はNikon Photomic FTn(50mmF1.4)で83,000円(F2はこの後間もなく発表されます)、全く新しいシステムとして鳴り物入りで発売されたCANON F-1(50mmF1.4)は104,000円と随分高かったでした。もちろん当時は消費税などはありません。

 

アサヒカメラの「診断室」はそれこそ日本が誇る精密機械工業の製品テストでしたので、長い間これまた私の愛読記事でした。また、ニコンにはいつも好意的で、ある意味「ニコン神話」と一緒に歩んだのかもしれません。

しかしながら、カメラ雑誌を頻繁に買っていたのは2000年ごろまで、たまに買ったのは2010年まで、それ以降は自宅近くの公立図書館で済ませてしまうようになりました。2000年を間近にして、レンズの画質や特性を最大限に再現できると考えられる印刷技術(+上質紙)を採用して実験的に出版された写真集(というかレンズの作例集)が出ました。これを見ると、月刊誌の価格で対応できる印刷レベルでは画質の比較はほとんど無意味と思われ、購読への情熱が急速に失われてしまいました。

この「写真入門」が出た当時、カメラ雑誌としては「アサヒカメラ」と「カメラ毎日」がありました。「カメラ毎日」は1985年に突然休刊(廃刊)になってしまい、その後、毎日新聞社はアマチュア向けの趣味のカメラからは完全に手を引いたように記憶しています。朝日新聞社にはフィルムカメラの時代にもあったように、「診断室」やメカニズム記事を再編集してぜひ出版して頂きたいと思います。

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2020年4月27日 (月)

カメラ回顧録(21)  Fuji GW690II Professional

 

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日光東照宮
       
     
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早朝 中央アルプスから南アルプス南部、富士山を望む

      

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富士写真フィルム株式会社(当時)のレンジファインダー式中判カメラとしては、Fuji GW690II Professional, Fuji GSW690II Professional, Fuji GW670II Professional の3種類(レンズの焦点距離と画面サイズだけが異なるシリーズ)がありました。

GW690II の主な仕様は、
画面サイズ 56 x 82.6 mm
フィルム送り 2回巻き上げ
シャッター レンズシャッター
シャッター速度 1~1/500 sec
レンズ EBCフジノン 90mm F3.5 最短距離1m
距離計 二重像合致式連動距離計
サイズ・重量 H 120 x W 200 x D128mm , 1445g (フード装着時)
その他ちょっと珍しい機能 シャッターショット数カウンター
(露出計 なし)
発売1985年6月

今にしてみると、変わった操作方法ですが、シャッタースピードとレンズ絞りはレンズフードを引き出した状態で、それぞれのリングを回して設定します。使用説明書にまた変わった説明が!「本機をご使用される大半の方々が、常時ショット数の多いプロ写真家(写真業)とご推察いたします。・・・・・・・」とあり、シャッターショット数カウンターを利用して5000ショット毎に必ずオーバーホールに出すように書かれています。シャッターの調整と巻き上げ機構のメンテナンスのようです。

このカメラをよく見かけたのは、観光地などでの大人数の記念写真撮影(学校の修学旅行や団体旅行など)だったと思います。営業写真館の方が使うカメラで、あまり個人のアマチュアが趣味で持つようなカメラではなかったと思います。そんな中、なぜ買ったのか? 長らくNikon FやF2を使用していた中でいつしか中判カメラを使ってみたいと思うようになりました。当時は6x4.5, 6x6, 6x7, 6x8, 6x9など多数ありましたが、サブとしての用途でしたので価格やコンパクトさ、できるだけ大きなフィルムサイズということで、このGW690IIとなりました。1986年当時の標準価格は155,000円。ちなみにキヤノンニューF-1(AEファインダー付き)ボディー160,000円、ニコンF3ボディー139,000円でしたから、35mm一眼レフの多様な機能に比べて貧相な機能の(露出計も内蔵されていない)GW690II、けっこう高価なカメラに思えました。ところで弁当型と評されるFUJIFILM GFX 50R(センサーサイズ 約44×33mm)ですが、そのサイズ・重量はボディのみで W 160.7 x H 96.5 x D 66.4, 775g ですので、GW690II は大きくて重いです。このII 型までは直線基調のかっちりとした外観でしたが、1992年発売のIII型は曲線を取り入れた丸っこいボディとなり、シリーズ完了となります。

   

         

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GW690II はミノルタの露出計とセットで購入しました。結論としては、数年間所持してスナップ・風景・山岳写真を撮りましたが、うまい写真は撮れずに終わりました。技術的には露出計が上手く使いこなせず、露出の微妙なところが上手くいきませんでした。また、プリントしてもどうも最初期待していたような仕上がり(描写の質?)になりませんでした。フィルムサイズが大きくなれば確かに緻密な描写になるのですが、描写の質とは異なるように思えました。

廃棄したフィルムも多く、残った少数のネガ・ポジを始めてフィルムスキャンしてみました。GW690IIの購入は1980年代後半ですが、他のフィルムと保管方法が違うためか、Fuji、Kodakともネガフィルムはかなり退色が顕著で、一部は補正しきれませんでした。

                               

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デジタル化してみた画像の印象です。


・昔プリントした時と同じ印象ですが、描写が非常にあっさりとしています。後年購入したCONTAX645の濃密な描写と比べると、非常に物足りなく思います。このあたりが手放した最大の理由かと。
・スナップやポートレートなどの中距離撮影では非常に高精細の描写ですが、風景・山岳などの遠景撮影では期待以上には質感が上がっていない印象です。これは手持ち撮影で、微ブレがあるためかもしれません。あるいは、集合写真撮影が主たる目的なので、中距離で最高画質になるようにレンズ設計がされているのかもしれません。
・モノクロ画像で見る高精細さはやはり圧巻で、さすが6x9版でした。
・カラー撮影に関しては、きちんとした三脚を使って段階露出をマメにやれば良かったのかもしれません。
・何れにしても当時は、本当に下手だったとつくづく思います。GW690II は使いこなせずに終わってしまいましたが、懲りずに今度は露出計内蔵のレンジファインダー式中判カメラを探すことになります。

 

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撮影機材 Fuji GW690II Professional, EBCフジノン90mm F3.5(35mm版換算39mm)
Fujicolor100, Fuji Neopan400, KODAK PKR, EPR, TMX, EPSON F3200

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2018年1月 6日 (土)

カメラ回顧録(20)  Canon EF + New FD100-300mm F5.6L

 
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 CANON EF用の最後のレンズです。
 
 アサヒカメラのTEST REPORT「300ミリまでの望遠レンズ6本」という記事(1980年代)の中で、1ページの簡単なレポートが載っています。それによると、100ミリ時は絞り開放から全画面でシャープ、300ミリでも解像力がわずかに落ちる程度で安定するが糸巻き型の歪曲収差がやや目立つとの評価でした。
 
 実は、このレンズは、EFのファインダーとも関係するのかもしれませんが、F5.6と暗いためかピント合わせが大変で(特に手持ちでは)、あまり使う場面がありませんでした。主力であったNIKON F2では望遠側は180mm/F2.8までしか持っていなかったので、そもそも望遠側の撮影に慣れていなかったのも、使いづらく思った一因かもしれません。
 


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 カメラ雑誌に掲載されていたCANONのお気に入りの作例で使用されていたFD300mm F4Lの方が良かったと、何度も後悔しました。
 そんなわけで、あまり撮らないで手放してしまいました。
 
撮影機材 Canon EF  +  New FD100-300mm F5.6L + Fuji Neopan SS, Neopan 400(1980年代後半)+ EPSON F-3200
 

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2017年8月16日 (水)

カメラ回顧録(19)  Canon EF + New FD50mm F1.2L


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 そもそも何でNew FD50mm F1.2Lを買ったのでしょうか。それはカメラ雑誌に載ったCANONの広告、写真家による絞り開放での作例(コダクローム64)でした。男女のモデルさんが一風変わった衣装をつけて海を背景に桟橋あるいは船上の端に佇むという構図でした。
 私自身それほどポートレート写真を撮るわけではないのですが、この写真が非常に印象的に残り、さんざ迷った末に無理をして買うことになりました。CANONの広告には、このレンズ以外にも印象に残る作例が多かったように記憶しています。
  
  

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 ところで初めての海外旅行(ウィーン)にどのカメラとレンズを持って行こうかと悩みました。当時の主力カメラで絶対的な信頼性を置くNikon F2 Photomic SBか、お試しで買ってみたCanon EFで迷いました。常識的にはF2なのですが、レンズは最小限1〜2本とすると、明るいニッコールレンズを持っていないのが難点でした。
 一方、EFには信頼性に難があるものの大口径のNew FD50mm F1.2Lのメリットは大きいように思いました。それで結局、EF + New FD50mm F1.2Lになりました。
 
 さて、結果は?
 
 
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(フジカラー 退色補正)
 

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 50mm1本というのはさすがにきつかったでしたが、そこは標準レンズでの工夫次第ということでしょうか。順光での撮影は問題ないのですが、すでに述べたようにEFの平均測光の特性で、空が背景のポートレートは大幅なアンダーになることが多かったでした。
 大口径のメリットですが、室内などの暗所での撮影も多かったのですが、さすがにフィルム自体がISO100でしたので、手ブレが多くあまりメリットはなかったようです。それでは、ボケを積極的に活用した撮影はというと、実はあまりありませんでした。今思うともったいないというか、まだ経験不足でした。
  
 
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 結論としては、致命的な大失敗やトラブルはなかったのですが、使い慣れたF2, 35m, 105mmの組み合わせで良かったのではないかと思い返します。
 
 
撮影機材 Canon EF + New FD50mm F1.2L+ Fuji  RDP, Fuji Color 100(撮影1988年5月)、EPSON F-3200

関連サイトはこちらへ。春のウィーン(1)春のウィーン(2)
 
 
 
 

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2017年7月11日 (火)

カメラ回顧録(18)  Canon EF + FD24-35mm F3.5 S.S.C. アスフェリカル

 
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Img705_農鳥岳


Img702_間ノ岳


 FD24-35mm F3.5 は大好きなレンズでした。今考えるとズーム比の非常に小さなレンズですが、当時としてはやや大柄ながら単焦点レンズ並みの超高性能のズームと言われ、24,28,35mmを兼用できる点であちらこちらで便利に使いました。
 
 南アルプス白根三山の登山時にはこれ一本で行きましたが、想い出の深い写真が撮れました。


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Img720_北岳山荘から夜明け


Img714__2北岳から


Img708_北岳から鳳凰三山
 
 
 SIGMA 24-35mm F2 DG HSMが出た時にはたいへん懐かしく思い、是非また使いたいものだと思いました。残念ながら適したボディが今はありません。

撮影機材 Canon EF + FD24-35mm F3.5 S.S.C. アスフェリカル + Fuji  Neopan 400(撮影1983年8月)、EPSON F-3200

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2017年7月 9日 (日)

カメラ回顧録(17)  Canon EF


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 Canon F1はNikon F, F2に対抗できる初めて機種として鳴り物入りで発表され、カメラ雑誌等マスコミでも最高のカメラと持て囃されました。その後、Nikon vs Canon の特集が雑誌などで繰り返されることになります。

 これは憧れのニコン(Nikon F  Photonic FTN)を買ったユーザーにすると非常なストレスになりました。確かにCanon F1の分厚い赤い表紙のカタログは当時の常識外で非常に立派で内容も洒落ている。ニコンのどちらかというと建て増し式のごてごてしたデザインに対して、直線を基調としたキヤノンのデザインは贔屓目に見てもとても美しいし、カタログ写真の撮り方も美しい。今は無き「カメラ毎日」からはいつもレンズの測定データが発表され、キヤノンのFDレンズ群を賛辞していました。特にFDレンズはカラー特性が交換レンズすべてで統一されていることが高く評価されていました。Nikkorレンズはそれまでのモノクロフィルム対応で設計されてきたので、数多くの交換レンズに対してすぐにはカラーへの対応は難しかったようです。


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Dsc_0604_               キヤノン株式会社 1971年12月ごろのカタログ


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キヤノン株式会社 1972年9月ごろのカタログ
 
 
 当時の主力機種であったNikon F2のシステムを拡充して行く中で、いつしかNikon vs Canon のプレッシャーに耐えきれず、お試しでとうとうキヤノンの中古を買うことになりました。ちなみに Nikon Fを買ってくれた父は、その後はあまりカメラに興味を深めていなかったようですが、Canon AE-1などキヤノンの初級機を使っていました。
 
 
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キヤノン株式会社 1976年12月ごろのカタログ


Dsc_0621_       キヤノン株式会社 1976年12月ごろのカタログ


 ターゲットはCanon EFです。F-1に準ずる直線を基調としたデザイン、ニコンにはないシャッター速度優先AE、シャッター速度のダイヤル操作などが魅力的でした。確かに良かったでしたが、一点だけかなり気になったのは露出計でした。いわゆる、本当の平均測光でしたので、ニコンの中央部重点測光と比べると背景の空の明るさを拾いすぎたりして、露出補正がやりにくいことも多く(専用の露出補正ダイヤルがなくASA感度で変更)、逆光を初めとして使い難い点もありました。
 
 
 交換レンズは、 FD24-35mm F3.5 S.S.C. アスフェリカル, New FD50mm F1.2L, New FD100-300mm F5.6Lを買いました。
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キヤノン株式会社 1976年12月ごろのカタログ


Dsc_0630_キヤノン株式会社 1986年4月1日のカタログ 初めてのLシリーズ専用カタログ?


 これらのCanonも中判カメラCONTAX 645への移行の中で手放す事になりました。中古カメラ店では細かいカビが生えていますと言われてがっかりしました。かなり注意して保管してきたつもりでしたのに。

(続く)
 
 

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2016年5月26日 (木)

横山厚夫「登山読本」とカメラガイド

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 青春時代、カメラを始めた頃、思い出深い本があります。

 

それは

 

 

横山厚夫:登山読本、山と渓谷社、昭和48年3月 第5刷、380円 (初版 昭和41年)

 

横山厚夫:新版 登山読本、山と渓谷社、昭和56年4月 第3刷、880円 (初版 昭和54年)
  

 

 

 横山厚夫さん、詳しくは存じませんが、日本山岳会会員で編集関係の仕事に携わるとのことで、山岳写真家ではなかったようです。この本に思い出を寄せる人は結構多いようで、ネット検索をすると今でもヒットします。
 

 

 

 この2冊の本は、初心者向けの「山行」のガイドブックです。
 最初の本では、「山の記録」の中に「山でとる写真」という節があり、けっこうなページを割いて説明がされています。ちなみに、「山を見る目を養う、よい山の写真のために、どんなカメラでも、とったあとの処理(フィルムとコンタクト、アルバムの編集、カラースライドの整理)、私の撮影、カメラを大切に」、などの項目があります。
 

 

 この方は写真家ではありませんので、あまり凝ったことは書いていません。
 初版の頃はNikon F,  Nikomat, Asahi Pentax SP, Canon FTなどの時代だったと思います。
 機材よりも見る目を養え、なんでも撮る、整理をきちんと、レンズは35mmと105mmで十分というアドバイスです。繰り返し読みながら、未知の世界への挑戦(登山)とともにカメラについても大きな影響を受けました。
 

 

 

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 したがって、若い頃は35mmと105mm前後が私の主力レンズとなりました。
 例えば、Nikkor 35/2.8, AF Nikkor 35/2.0を経てDistagon 35/1.4, Distagon 55/3.5(CX645), EOS EF 35/2.0へ、あるいはNikkor 105/2.5, Nikkor 105/1.8, AF Nikkor 85/1.8 あたりでした。
 登山に行っていると当然花の写真をたくさん撮ることになり、マイクロ(マクロ)レンズが必要になります。Nikkor 55/3.5, Nikkor 55/2.8, Planar 60/2.8C, Planar 120/4.0(CX645)などの遍歴を経ます。
 35-105mmクラスのズームレンズを期待しましたが、時代の主流は35-70から28-70、24-70へと広角側に移っていきました。100mm前後の中望遠ズームもあまりなく、本格的なものはそれこそつい最近のSIGMAの50-100/1.8(APS)でしょうか。
 

 

 

 年齢とともに趣向も変わりますが、どうもズームレンズにのめり込めないのは、このストイックな本の影響かもしれません。

撮影機材 Nikon F2 Photomic (SB)+Ai 105mm F1.8S+Fuji ネオパン 400, KODAX トライX +EPSON F-3200 (1980年代後半)

 

 

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