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2024年8月29日 (木)

<movie> 北アルプス 野口五郎岳, 水晶岳, 三俣蓮華岳, 黒部五郎岳 2024夏(3)~ 野口五郎小屋から野口五郎岳をへて水晶小屋へ / <movie> JAPAN ALPS Mt. Noguchigoro, Mt. Suisho, Mt. Mitsumatarenge and Mt. Kurobegoro Summer 2024 (3) ; from Noguchigoro Hutte to Suisho Hutte

    

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野口五郎小屋から野口五郎岳をへて水晶小屋へ(from Noguchigoro Hutte to Suisho Hutte)

 

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野口五郎小屋から、朝日に染まる野口五郎岳

     

この日も早朝から天気が良く、燕岳方面からの御来光を小屋の前からしっかりと見ることができました。野口五郎岳の山体も赤く輝いています。烏帽子小屋と同じく、朝食のおにぎり、味噌汁、お茶を頂きます。



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野口五郎小屋 遠景


まずは野口五郎岳を目指しますが、緩やかな稜線を登って意外とあっけなく山頂到着です。途中、眼下に野口五郎小屋が見えていますが、こんな場所にあるんだ・・・・、という感じです。ちょっとした鞍部というか山の影にあることがよくわかります。背後には、美しい縦走路や山並みが見えています。

 

 

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野口五郎岳山頂から槍・穂高連峰

 

野口五郎岳(標高2,924m)の山頂ですが、本当に360度の大展望です。表銀座(燕岳、大天井岳など)~槍・穂高連峰、そのはるか後には八ヶ岳・富士山・南アルプス・中央アルプスも見えています。続いて、双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳・ワリモ岳など。背後には、特徴的な笠ヶ岳も。水晶小屋・水晶岳、そして薬師岳・赤牛岳。登ってきた縦走路の後ろには烏帽子岳や三ツ岳、遠くには立山・剱岳など。

         

歌手の野口五郎さんが、その芸名を野口五郎岳からとったというのは良く知られた話です。「野口」はもともとは山麓の集落の名前だそうです(大町ダムの東側にある旧 野口村、現在の大町市大字平 野口のことでしょうか)。「五郎」は「ゴーロ」に由来するそうで、ゴーロとは大小の石や岩がゴロゴロとある場所をさす登山用語だそうです。裏銀座の山々は花崗岩と呼ばれる岩からできているために、風化などにより大きな岩がゴロゴロと積み重なっている場所もあることから、このような用語ができたのかもしれません。確かに、ここまでの縦走路にも「ゴーロ」が繰り返し出てきます。

        

山頂からの大展望を十分楽しんだ後、山頂から一気に下って真砂岳(標高2,862m)に向かいます。真砂岳周辺では、山体北側の巻道を、黒部川の支流である東沢谷や五郎沼を見ながら通過します。湯俣温泉に下る竹村新道との分岐に出会うと、先には雄大な鞍部が現れます。右側には大きな東沢谷と水晶岳、左側にはワリモ沢と槍ヶ岳です。槍ヶ岳や三俣蓮華岳をバックに高山植物を撮る良いスポットですが、高山植物が少々見頃を過ぎていてちょっと残念。

                    

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この鞍部を過ぎると、しばらくはゴーロの稜線を延々と進みます。標高2,833mの小ピークがあります。途中で縦走路を振り返ると、真っ白な山体の野口五郎岳や真砂岳が美しい。一方、双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳・ワリモ岳・水晶岳、そして水晶小屋も眼前に迫ってきます。でも、水晶小屋へのやせ尾根はまだ先のようです(苦笑)。

                     

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縦走路を振り返る(いつの間にか野口五郎岳もはるか後方に)
           
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東沢乗越から黒部川支流の東沢谷を望む、遠くには黒部第四ダムのダム湖が見える
           
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最後のやせ尾根

         

ようやく小さな鞍部に出ます。ここが東沢乗越のようです。北には東沢谷の本流、南にはワリモ沢の本流が上がってきます。東沢谷の先を見ると、黒部第四ダムのダム湖が見えています! まだ、しばらく花崗岩のゴーロが続くようです。このゴーロ、花崗岩が風化した砂地の場所よりも、水分が多いのでしょうか、意外と高山植物が豊かです。

最後のゴーロのピークを下ると、不気味なほど茶褐色に輝く(風化が非常に進んだ脆い山体であることの証拠ですが)やせ尾根の入り口にようやく到着です。水晶小屋もリアルに迫ってきます。下から見上げると、崖っぷちに建っているような感じ。偶然のタイミングでしょうか、このやせ尾根で大勢の登山者と遭遇します。登山道はここでもきちんと整備されており、いつしか緩やかな登りとなります。振り返ると、野口五郎岳もはるか後に見えています。水晶小屋到着です。大勢の登山者で賑わっています。

       

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野口五郎岳と今日の縦走路

 

一休みしながら今日の縦走路を眺めています。真っ白に輝く野口五郎岳がなんと言っても美しい。最後のやせ尾根の登山道もリアルに見えています。これまで好天に恵まれた毎日でしたが、夕刻には周辺の山々も徐々に雲間に隠れていきました。

(続く)

 

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野口五郎小屋から野口五郎岳をへて水晶小屋へ(from Noguchigoro Hutte to Suisho Hutte)

 

August 2024 from Noguchigoro Hutte to Suisho Hutte Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.  (iPhone 13)

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2024年8月26日 (月)

<movie> 北アルプス 野口五郎岳, 水晶岳, 三俣蓮華岳, 黒部五郎岳 2024夏(2)~ 烏帽子小屋から三ツ岳をへて野口五郎小屋へ / <movie> JAPAN ALPS Mt. Noguchigoro, Mt. Suisho, Mt. Mitsumatarenge and Mt. Kurobegoro Summer 2024 (2);   from Eboshi Hutte to Noguchigoro Hutte

       

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烏帽子小屋から三ツ岳をへて野口五郎小屋へ (from Eboshi Hutte to Noguchigoro Hutte)

 

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裏銀座縦走路
  
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赤牛岳、薬師岳
  
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烏帽子岳

                                        

烏帽子小屋の朝です。展望台兼docomo通話用の丘に、日の出を見に出かけます。今日、これから登る裏銀座縦走路が真っ赤に燃えるように輝くのが印象的です。赤牛岳や薬師岳も同じく、真っ赤に。小屋に戻って朝食のおにぎり、味噌汁、お茶を頂きます。

とりあえず烏帽子岳(標高2628m)を見に、前(偽)烏帽子岳まで行きます。なかなかの大展望です。烏帽子岳~南沢岳~不動岳(船窪岳は不動岳の背後に隠れえ見えない?)~七倉岳。不動岳(船窪岳)・七倉岳の真っ白な崩壊地が印象的です。烏帽子岳~南沢岳の間にある池塘がたいへん良いそうですが、今回はパスです。これらの背後には針ノ木岳・蓮華岳が意外と間近に、さらにその後、はるか遠くには後立山連峰が見えます(白馬岳が見えている?)。また、立山・剱岳も意外と間近に見えます。一方、烏帽子小屋からは見えなかった水晶岳も、赤牛岳や薬師岳とともに見えてきました。これから登る裏銀座縦走路、ピークがたくさんあるなあ、野口五郎岳はどれだろうか(見えていない?)、と感想。

              

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三ツ岳
   
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縦走路を振り返る
   
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燕岳(燕山荘)、後方には富士山も

         

烏帽子小屋に戻って、リスタートです。まず三ツ岳(標高2845m)を目指します。たぶん3つのピークからなるので「三ツ岳」と呼ぶのでしょうが、よく分かりません。三ツ岳への登りは、広い稜線の中を花崗岩が風化した砂地の快適な登山道を進んでいきます。途中で後ろを振り返ると、美しい真っ白な縦走路、重層的に重なる烏帽子岳・南沢岳・不動岳・船窪岳・七倉岳、針ノ木岳・蓮華岳、後立山連峰、そして立山・剱岳が印象的です。表銀座の山並みもよく見えて、燕山荘も眼をこらせば?見えています。その後ろには富士山も。登山道は三ツ岳山頂を通らずに山体北側を巻いて、鞍部を抜けると再び山体の南側に出ます。ここで、正面に槍ヶ岳(槍・穂高連峰)と大きな野口五郎岳が突然現れて、縦走路の印象が一気に変わります。

 

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槍ヶ岳と野口五郎岳
    
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縦走路を振り返る
     
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最後の小ピーク、前方は野口五郎岳山頂方面
          
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水晶岳
     
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縦走路を振り返る

          

野口五郎岳の山体の左側に、かすかに道標らしきものが3本?立っているようにも思えます。これが山頂? でも野口五郎小屋らしきものは分からない。登り出すと、それまでの砂地の登山路から、大小の石や岩がゴロゴロとある(五郎「ゴーロ」の)登山路が増えていきます。途中、チングルマの群落があります。小屋はもうすぐかな?と期待して歩いていると、小ピークがまた前方に現れてなかなか辿り着かない(苦笑)。水晶岳もかなり間近に見えるようになります。最後の小ピークを下ると、小さな鞍部があり、野口五郎小屋(標高2,924m)が突然現れます。到着!

 

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受付を済ますと、まず「チュータさんのTシャツまだありますか?」「チュータさん知っているんですか?」「NHKのBSにっぽん100名山 野口五郎岳 を見て、この小屋に泊まってみたくなり、水晶岳(水晶小屋?)からの雄大な野口五郎岳に感動して、見に来ました!」と。段ボールにたくさん入ったTシャツを見せてくれて、私と妻の2枚を早々に買いました。このNHK番組では山小屋の紹介は一切しないはずなのに、この放送ではご家族のインタービューも含めていろいろな紹介が(山小屋経営のたいへんさも含めて)なされていました。ウェブサイトでも電話予約の際にも、最小限の(基本的な)サービスのみと強調されていました。それでも、実にホンワカとした雰囲気で、昔懐かしい山小屋の雰囲気が良く残っていると思いました。

野口五郎小屋と烏帽子小屋のオーナーさんは御兄弟ですので、小屋も感じが似ています。屋根は同じ鮮やかな青色。小屋の正面に、特徴的な書体で「野口五郎小屋」と書かれた、横書きの大きな看板が掲げられています。小屋の前のベンチからは、燕岳、大天井岳、そして野口五郎岳の山腹が見えています。日差しが強いので、日傘をさしている方が多いです。表銀座の燕山荘のdocomo基地局からの電波が届いており、さらに増幅器が設置されているそうなので、十分ドコモの圏内です。ただ、インターネットの接続には少し時間がかかるようで、街中で使うようにサクサクとはいかないようです。公衆(衛星)電話は見当たりません。こちらでも烏帽子小屋と同様に、Starlink(スターリンク)による「山小屋Wi-Fi」(KDDI) が設置されているようです。

部屋は普通の大部屋(相部屋)でコロナ対策用仕切りはすでにありません。眠る空間としてはふつうでした。寝具はありますが枕は無し、インナーシーツやシュラフ等を必ず持参とありましたので、久しぶりにインナーシーツを使いました。トイレは非常に狭い上に、便器の種類も異なり使い勝手が違うので、使い易いトレイを選ぶのが肝要かと(笑)。乾燥室と更衣室はあります。ただ、自然乾燥だと衣類はあまり乾かないですね。陽がまだ高いうちに、外で干した方が良いようです。

           

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夕食は目玉焼きがのっているカレーライス、味噌汁、付け合わせなどです。カレーはレトルトなのでおかわり無し、ご飯と味噌汁はおかわり可能と説明がありました。朝食やお弁当はおにぎり2個づつ。これも烏帽子小屋と全く同じでした。今は、どこの山小屋でも生ビールが大人気ですね。小屋の飲料水は全て天水(雨水)で有料です。味については普通でした。お湯も有料で頂けます。スマホなどのバッテリー充電は無料です。こちらでも長野県警察山岳遭難救助隊の隊員が1名常駐されていました。

夕食後は、ようやく涼しくなったベンチで、沈みゆく夕日(小屋からは見えませんが)に照らされた燕岳や大天井岳を眺めて時間を過ごします。

(続く)

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大天井岳
           

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烏帽子小屋から三ツ岳をへて野口五郎小屋へ (from Eboshi Hutte to Noguchigoro Hutte)

 

August 2024 from Eboshi Hutte to Noguchigoro Hutte Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. ( iPhone 13 )

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2024年8月24日 (土)

<movie> 北アルプス 野口五郎岳, 水晶岳, 三俣蓮華岳, 黒部五郎岳 2024夏(1)~ 七倉登山口からブナ立尾根をへて烏帽子小屋へ / <movie> JAPAN ALPS Mt. Noguchigoro, Mt. Suisho, Mt. Mitsumatarenge and Mt. Kurobegoro Summer 2024 (1) ; from Nanakura to Eboshi Hutte

       

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七倉~烏帽子小屋 (from Nanakura, starting point of a trail up a mountain, to Eboshi Hutte)

                     

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高瀬ダムから七倉方面
           
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濁沢の滝
  
    
JR大糸線信濃大町駅から、高瀬渓谷の入り口である七倉山荘・七倉登山口へは、現在、登山バスあるいは宿泊施設と連携したタクシーがあります。大町市は2023年2月に「裏銀座登山バス」を計画、2023年夏山シーズンから運行されています。1日4往復、今回はこのバスを利用しましたが、利用者が少なくちょっと残念でした。

七倉山荘の夕食の席では、ちょうど一緒になった登山者の間で、8月開催のトランス・ジャパン・アルプス・レース、つい先日の濁沢丸太橋流出に伴う裏銀座稜線の山小屋・登山客の混乱およびエスケープルートとしての竹村新道、リスクの高い七倉岳~船窪岳~不動岳ルートなど、いろいろな話題が飛び交いました。

       

七倉~高瀬ダムをつなぐ新高瀬川発電所管理用道路(全長5.8km、東京電力の管理道路)では「特定タクシー」が運行されています。今年の3月に発生した大規模な落石により運行停止になっていましたが、夏山シーズンに向けてようやく一部区間での運行再開となりました。

この季節、午前5時に東京電力の七倉ゲートが開きます。ゲート前(七倉山荘前)のタクシー乗り場には登山者が列をなします。七倉山荘宿泊客へのサービスとして、最優先でタクシーに乗れます。宿泊者が予想外に少なくてびっくり、七倉まで車で来ている登山者が非常に多いです。

問題の大規模落石(山の斜面の大規模崩落)区間は30〜40m程度で、驚いたことに対策・復旧工事などはまだ未着手でした(対策・復旧工事に必要なまわりの木々の伐採許可がまだ下りないとか?)。ヘルメット着用(貸出用ヘルメットあり)でした。

徒歩区間はわずかな落石区間に対して1.4km。理由は、トンネルなどにより、タクシーの待合場所・Uターン場所が無いために、落石区間に比べて徒歩区間がやたら長くなっています。徒歩区間の前後で「特定タクシー」に乗車可能です。タクシー運賃は2区間合計2,300円/台(通常2,600円/台)でした。

高瀬ダム堤体に30分ほどで到着です。5時台に高瀬ダムに到着した登山者は50人ほどでしょうか。七倉で一番にタクシーに乗りましたが、タクシーもたくさん来ていたので、並んでいた登山者もあっという間にはけてしまいます。タクシーで来た登山者は40人ほど(他に徒歩が10人ほど)ですが、途中の徒歩やダムでの身支度で、あっという間にタクシー待ちの順番が崩れていきます(笑)。

高瀬ダム登山口からいよいよ裏銀座への登山スタートです。ダム湖を眺めながら、堤体から400mほどのトンネルを抜けると、不動沢の吊り橋を渡り、濁沢キャンプ場跡地を過ぎて、濁沢の河原に到着です。前夜も話題になった濁沢です(苦笑)。水はすっかり引いているはずと言われて来たのですが、なぜかどこからかゴーゴーとした音が聞こえてきます。濁沢の流れを見て、一瞬、声を失いました。丸太1本と濁流。遠くに見える濁沢の滝からはゴーゴーと水が流れ落ちていました。

実は今年は7月早々から大雨・土砂崩れ・土石流などにより、濁沢丸太橋の流出と復旧が繰り返されています。
・丸太橋の流出 7月早々、7月月末、8月中旬
・丸太橋の復旧 7月中旬(約二週間)、7月月末(2,3日)~8月上旬、8月21日復旧(約一週間)
・雨量規制により不動沢のゲート(トンネルの出入り口?)の閉鎖

気を取り直して、なんとか丸太橋を通過。この濁沢は、北アルプス3大急登のブナ立尾根よりも、アクセスの悪さよりも、裏銀座登山の最大のリスク要因かもしれません。ようやくブナ立尾根(濁沢)登山口に到着です。

        
                           
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ブナ立尾根

          

このブナ立尾根登りの標高差は約1250mです。登山口を12(標高1270m)、烏帽子小屋(標高2520m)を0としておおよそ100mごとに12の番号が付けられています。実際に番号札が残っているのは12、9(権太落とし 標高1660m)、8、6(中休み 標高1960m)、4(三角点 標高2208m)、2、1でした。この有名な急登、登山道はよく整備されていて歩きやすいです。最初は階段が続きます。それ以降は、危ない岩場があるわけでもなく、大きな木の根っこを何度も何度も乗り越えて・・・・・というわけでもなく、急な道が淡々と続きます。

No.6(中休み)は文字通り中間点です。ここから、燕山荘のdocomo基地局の電波を拾うのでしょうか、docomoが圏内となります(アンテナは1本しか立ちませんが、メールが可能です)。ここを過ぎると、不動岳・船窪岳方面の真っ白な山体が樹間に見えてきます。眼下には高瀬ダムのダム湖が見えることもあります。名前の通りブナがよく見られます。No.2付近では手のひらを広げたような不思議な形のブナが見られます。No.1まで来ると、思いがけず表銀座方面も見えてきました。このブナ立尾根をノンストップで一気に登る方もいるようです。最後の緩やかな登りの後、少し下ると樹間に青色の屋根が見えてきて、ようやく烏帽子小屋に到着です。

           

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烏帽子小屋
       

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イワギキョウの群落
                   
          

小屋の正面に、特徴的な書体で「烏帽子小屋」と書かれた、横書きの大きな看板が掲げられています。小屋の前からは、赤牛岳と薬師岳がやや重なり合うようにして見えます。前(偽)烏帽子岳も。なんといっても圧巻は、小屋の前に広がる青いイワギキョウの大群落です。でも、花がほとんど向こう側を向いてしまい、午後の西日に当たると逆光気味になり、なかなか写真が撮りにくいです。

烏帽子小屋自体はdocomo圏外ですが、少し先に行ったところに展望台兼docomo通話用の丘があります。ここからは360度の大展望で、不動岳~船窪岳~七倉岳方面(烏帽子岳は見えない)、大町、表銀座方面(餓鬼岳、燕岳、大天井岳など)、明日からの裏銀座縦走路などが見えます(野口五郎岳や水晶岳は見えていない?)。公衆(衛星)電話は無いようです。

烏帽子小屋のオーナーは野口五郎小屋のオーナーと御兄弟のようです。こちらも家族経営なのでしょうね。ウェブサイトに「急激なスタッフ不足のため営業期間及び営業時間の短縮、宿泊人数の制限をさせていただきます」と小規模山小屋経営の窮状を訴えています。ところで相部屋は二人分を一人で利用でしたので、十分な空間があり快適でした。

                 
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夕食はカレーライス、味噌汁、付け合わせなどです。カレーはレトルトなのでおかわり無し、ご飯と味噌汁はおかわり可能と説明がありました。朝食とお弁当はおにぎり2個づつ。コンビニでよく見るおにぎりの作り方で、手作りではなさそうです。冷凍したものをヘリで荷上げし、自然解凍でしょうか? 特に、不自然さはありませんでした。

稜線の小屋では水場がないので、小屋の飲料水は全て天水(雨水)で有料です。消毒用の塩素が通常の水道水よりも多いそうですが、味にややくせがあるような気がしました。ペットボトルが飛ぶように売れていました。スマホなどのバッテリー充電は無料です。長野県警察山岳遭難救助隊の隊員が1名常駐されていました。早朝に七倉を出発した60名ほどの登山者の8割程度は野口五郎小屋まで行っているようでした。裏銀座に来る方は、やはり静な山が好き、という人が多いようです。もちろん、皆さん健脚です!

夕暮れ時を、小屋の前のベンチで過ごします。薬師岳の右側に陽が沈んでいきます。長い一日が終わります。

(続く)

                        

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裏銀座縦走路

 

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七倉~烏帽子小屋 (from Nanakura, starting point of a trail up a mountain, to Eboshi Hutte)                 

August 2024 from Nanakura, starting point of a trail up a mountain, to Eboshi Hutte  Japan Alps, Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S. and iPhone 13

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2024年8月20日 (火)

カレー風味 鶏胸肉のロースト オーブン仕立て(その2)

 

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野菜がちょっと焼けすぎ
     
      
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赤い彩りがない

            

鶏の胸肉をカレー風味で味付けし、色とりどりの野菜を付け合わせて、ガスオーブンで調理(ロースト)します。我が家の名物料理?になってしまいました。

鶏肉は、胸肉でももも肉でもどちらでも良いのですが、もも肉はいくらでも料理方法がありますが、ヘルシーでたいへん安い胸肉を美味しく食べる方法は意外とないので、このローストはちょうど良いです。鶏肉はしっかり焼く必要がありますが、どうしても野菜が焼けすぎてしまうことが多いので、そのあたりを上手くこなす必要があります。これによく冷えた白ワインを開けて夕食です。暑い夏でも、カレー風味だと食欲が進みます。
                                     

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ようやく野菜もちょうど良い加減に
     

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