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2023年10月25日 (水)

北アルプス高瀬川最深部へ(4) 噴湯丘・伊藤新道入口・湯俣山荘 2023秋

 

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湯 俣
 

 

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水俣川(槍ヶ岳へ)

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水俣川(槍ヶ岳へ)

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湯俣川(「伊藤新道」スタート地点、三俣山荘へ)

 

 

高瀬川最深部(長野県大町市)に位置する湯俣温泉を通り過ぎると、それまで幅広い河原が広がっていた高瀬川が、巨大な岩壁にせばまれ、槍ヶ岳を源流とする水俣川と三俣蓮華岳を源流とする湯俣川に分かれます。湯俣川を少し進むと湯気と硫黄の匂いが広がります。河原のあちらこちらには温泉(熱水)が噴き出し、湯気が風に流され、硫黄が河原に沈着しています。河原の熱水もかなり温度が高いので、川の水と上手く混ぜれば”露天風呂”になりそうですが、この付近では足湯程度が限界かなと思いました。

 

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湯俣川(「伊藤新道」スタート地点)
 
 
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国の史跡名勝天然記念物「高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石」
 

  

湯俣川が増水していなければ、河原を歩いて、国の史跡名勝天然記念物「高瀬渓谷の噴湯丘と球状石灰石」を対岸に眺めることができます。間近に見るためには湯俣川の中を歩いて川を渡る(渡渉)必要がありますが、通常は湯俣川の水量が多く流れも急なので、危険です。対岸からも「噴湯丘」(ふんとうきゅう)の様子は十分見ることができます。

 

河原にある「噴湯丘」の形はなかなかユニーク、可愛らしいです。温泉沈殿物(石灰華)が河床に堆積し、もり上がって噴湯丘がつくられます。現在、大きいものはこれ1ヶ所で、今も成長して大きくなっているようです。付近には熱水の噴気が止んで崩れてしまったものや、これから成長しそうなものもあるようです。間近で見ると、噴湯丘の先端から温泉(熱水)が噴き上がっており、温度は約85℃,まわりの湧出口では80~50℃だそうです。噴湯丘を形作る石は「球状石灰岩」と呼ばれていますが、高瀬川にある断層に沿って地下深くから石灰分に富む温泉水が、地上まで到達していると考えられています。

 

 

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旧「伊藤新道」の登山ルート跡
 
 

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旧「伊藤新道」の登山ルート跡

 

ところで、この付近は今年の8月に再開された「伊藤新道」のスタート地点にあたります。「伊藤新道」とは長野県大町市から北アルプス最深部の三又蓮華岳など黒部源流域を最短距離で結ぶことを目的に開かれた登山ルート(1956年)で、このルートを利用して三俣山荘や雲ノ平山荘が完成する(1963年)も、その後の高瀬ダム建設工事開始(1969年〜)により登山者が激減し長い間廃道となりましたが、三俣山荘グループがクラウドファンディングなどの協力も得て再開した(2023年8月)登山ルートです。湯俣から三俣山荘まで約10時間、前半は15箇所程度の渡渉が必要な沢登りルート、後半は鷲羽岳南東斜面を登る尾根道・巻道ルートです。十分な基礎体力と技術が求められる上級者向けのコースです。一般向け登山道ではありません。

 

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撮影機材 Panasonic LUMIX S1 LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.

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