バッハ・コレギウム・ジャパン(2023.7)~バッハの癒しの曲?
個人的に、J.S.Bach の3大 "癒しの曲" というと、「G線上のアリア」(管弦楽組曲第3番)、「主よ、人の望みの喜びよ」(カンターター第147番)、「羊は安らかに草をはむ」(カンターター第208番)あたりでしょうか。
今日はその中のカンターター第147番「心と口と行いもて、生涯をかけて」の演奏がありました。「主よ、人の望みの喜びよ」はその中のコラール(讃美歌)ですが、たいへん有名で管弦楽用などにも編曲されて、これ単独で演奏されたりすることも多いです。この有名な曲名「主よ、人の望みの喜びよ」の由来について、演奏会のパンフレット(木村佐千子さんの解説)をもとに簡単にご紹介します。
このカンタータは2部構成ですが、第6曲(第一部の最後の曲)と第10曲(第二部の最後の曲)が同じ旋律(メロディー)ながら歌詞が異なっています。この2曲はもともとは単に「コラール」(讃美歌:トランペット、オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音などと合唱)としかされていませんが、第10曲については後世において特別に「主よ、人の望みの喜びよ」と呼ばれています。
この曲名は、第10曲第一行のドイツ語歌詞 "Jesus bleibet meine Freude" (イエスは変わることなきわが喜び)から、"Jesu, joy of man's desiring" へと英訳され、これから「主よ、人の望みの喜びよ」という日本語へ訳されたそうです。ちなみに同じメロディーで歌われる第6曲第一行のドイツ語歌詞は(何という幸い、私にはイエスがいる)です。これらの歌詞は Martin Jahn のコラール詩(1661年)の第6節、第16節から、また音楽はJohann Schop の旋律(1642年)によるものだそうです。
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