バッハ・コレギウム・ジャパン(2023.4.7 聖金曜日)~マタイ受難曲
私にとっても恒例となってしまった、春の復活祭に聴くマタイ受難曲。
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(音楽の父とも呼ばれます)のマタイ受難曲 (Matthäus-Passion) は、新約聖書「マタイによる福音書」の26、27章のキリストの受難を題材にした音楽作品(プロテスタント・ルター派の宗教音楽)です。1727年、ドイツ・ライプツィヒの聖トーマス教会で初演されました。オルガンやチェンバロを含むオーケストラ、合唱隊や独唱(ソプラノ・アルト・テノール・バス)が、それぞれ2組配置され、演奏時間は約3時間です。ごく簡単に言ってしまうと、宗教改革に熱心だったドイツ プロテスタント・ルター派の復活祭の礼拝で、聖書朗読の代わりに演奏されたのが受難曲、だそうです。
最近の定期演奏会では、2020(コロナで8月に延期), 2022, 2023年は鈴木雅明さん(父)、2021年は鈴木優人さん(子)の指揮で演奏されていますが、鈴木雅明さんにとっては今回100回目!のマタイだそうです。一方、今年の受難節、鈴木優人さんはオランダ・バッハ協会の「マタイ受難曲」公演ツアーで、オランダ各地(コンサートホールや教会)で13回もの公演をされています。父子が日本とオランダで同時にそれぞれマタイを振るというのも凄いと思いますが、約3時間の大曲をお歳を召されたお父さんは3日連続、まだ若い息子さんは約2週間ほぼ毎日公演を行うというのも、本当に体力勝負だと思います。
東京での定期演奏会では今回「ソプラノ・イン・リピエーノ」に「東京少年少女合唱隊」(15名)が参加されました。いつもとはちょっと違った響きが楽しめました。
「マタイ」では第一部の第1曲(合唱 シオンの娘の対話)と第29曲(第一部終曲の合唱 罪の嘆きのコラール)で挿入されている賛美歌(コラール)を児童合唱隊が歌うことがあり、このパートのことをソプラノ・イン・リピエーノと言うそうです。18世紀前半のバッハの時代、女性が教会内で歌うことは禁じられており、すべての声部はボーイソプラノをはじめとする男性によって歌われていました。近現代の演奏で女声を使用する場合、ソプラノ・イン・リピエーノのみを敢えてボーイソプラノとして演奏効果を高める狙いだそうです。
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