我が家にやって来たミラーレスカメラ LUMIX S1



CANON R3やNIKON Z9が発売されたこの年末に書くのは実に間合いが悪いのですが、この夏の初めに我が家にも初めてのミラーレスカメラがやって来ました。
主な更新対象は手持ちのCANON 7D II、撮影対象はトレッキング(登山)です。フルサイズ (NIKON, CANON, LUMIX) はもちろん中判(FUJI, Hasselblad) 、マイクロフォーサイズ(LUMIX) も堂々巡りしながら何度も検討しました。現代の中判は古いCONTAX645とデジタルバッグの組合せと全く違うけれども、流石に中判2系統は不要、マイクロフォーサイズには魅力的なレンズもあるし合理性も分かるけれども、センサーサイズのダウンサイジングには非常な勇気が必要、フルサイズも実際のR3やZ9を見ていたらまた変わったと思うけれども、初夏の時点で結局選んだのは地味なPanasonic LUMIX S1。もちろん価格や必要なレンズも考慮した上での決断。
トレッキング用としては自己矛盾も甚だしいけれども、ショールームで何度か触った上での第一印象の良さとフィーリングに合った事、多分長年慣れ親しんだ一眼レフの感覚に近かったためかと自分ながら推測。結果として現在手元にある(残った)のは、フルサイズのコンパクトタイプとミラーレスレンズ交換式、一眼レフタイプの中版デジタルの3種類。否、プラス iPhoneの4種類でした(笑)。APSサイズは消滅。



2019年3月発売でS1/S1Rの評価などは既に出尽くしているので、ちょっと違った個人的な感想を少々。
1) 今でも高い評価のEVF、銀座のショールームでも、室内ディスプレイや銀座の街角を何度も確認して納得したはずだけれども、実際に購入して使用してみるとやはり違和感も。高精細さには問題ないけれども、自然の緑が太陽の光との関係でギラギラする事が多く、EVFの調整機能だけではなんともならない。これは有機液晶の特性で仕方がないのかもしれないが、やはりOVFの方が自然。R3やZ9はどうなんだろうと思う。
2) オートフォーカスはAF-Sを使う事が多い。AF-Cは確かに巷で言われているような感じ。撮影中に”AFが合わない”と思う事がそれなりにあるけれども、ハーフマクロのレンズでいつの間にか近寄りすぎてピントが合わない事が95%くらい、その他は原因不明。やはり正規のマクロレンズが欲しい。
3) UIなどについては概ね満足。購入の決め手となった機能の一つに、マイクフォーサイズで非常に高い評価だったセンサーのゴミ取り機構SSWF(オリンパスのスーパーソニックウェーブフィルター)がある。フルサイズではそれほどの効果は無いという意見もあるが、とりあえず安心して使える。
4) 新しいデジカメを使って最大の恩恵は、やはり優れた高感度特性と手振れ補正機能です。操作に慣れていない段階で、手持ち撮影でこんな写真が撮れてしまうのは本当に驚きです。驚くような色彩感覚で撮れてしまうこともあれば、すごい平凡な色調でがっかりしてしまったり(撮影者の責任かも)、いろいろです。
5) パナソニックが目指す「生命力・生命美」は正直まだよく分からない。CONTAX645では全てRAW現像だが、S1では「生命力・生命美」の画像設計に敬意を評してjpegを尊重している。ただ、手持ちで、バッテリー減少や時間を気にしながら、ファインダーやモニターで画像の各種設定を毎回細かく変えるのは、慣れないせいか、かなりのストレスとなる。Hasselbladのように撮影時の便利機能が一切なく、全てRAW現像で対応するというのも、本当にありだなと思う。
6) 素人による画像比較の印象を一言。
・Hasselblad X1D II(3時間ほどの試写);画像はニュートラル、中判5000万画素は高精細かつ本当に階調豊か。
・CONTAX645 + PhaseOne P30+(約3000万画素、CCD、古いデジタルバック);フィルムでのコンタックスの濃密な赤はP30+では再現が微妙、全体としてはニュートラルな印象。古いけれどもCapture One 最新版によるRAW現像でまだ活躍中。
・LUMIX S1;約2400万画素でSシリーズのレンズ自体がカリカリよりも柔らかい描写を目指しているようなので、全体として画素数に応じた柔らかい標準的な印象。時々コンタックスのフィルム時代によくあったような油絵的な濃厚な描写をすることも。ライカと協業するパナソニックがコンタックスの描写に近い? と言うのも妙な話。ただ、やはり3000万画素くらいは欲しいなと思う身勝手さ。
・NIKON D850(30分ほどの試写);フルサイズ約4500万画素の超高精細さは圧巻。F1.4のレンズとの組み合わせでボケの美しさにも感動。手元に置きたい名機。
・FUJIFILM GFX 50S(90分ほどの試写);試写会の時間と場所の関係で手ぶれが多かった。確かに中判5000万画素は高精細かつ階調豊かだけれども、この時は印象が散漫だった。
・LUMIX G9 PRO(1時間ほどの試写);LEICA DG系大口径レンズをつけてのショールーム内での試写です。システムとしてのコンパクトさには驚嘆です。MacBook Pro 16インチモニターで、ウインドーサイズに合わせた表示では、フルサイズのSシリーズと比較してもそれほど遜色のない感じでした。パナソニックのマイクロフォーサイズ機を使用して作品(写真集)を出されている写真家の方の撮影データを見ると、まずISOは200、暗所では多分三脚使用。また、うがった見方、偶然かもしれませんが、写真は色彩の美しさ、雰囲気、コントラストの強さで見せており、高精細は対象としていないような印象でした。このあたりがマイクロフォーサイズを上手く使うポイントかもしれないと思いました。
7) 24-105mm/F4.0の標準ズームレンズ(ハーフマクロ)は、基本的には”便利ズーム”だが、良く写って確かに万能に使える。フォーカスやズームのリングでは、リングの溝がかなり狭いので手の脂が付き易く汚れやすいような印象です。
8) S1を選んだ際には、動画撮影は全くの対象外。購入後、周りの人達がスマホや小型のデジカメで動画を撮っているのを見て、このS1でも動画が撮れるんだ!と思い出して、遊び心で挑戦。しかしこのLUMIX S1シリーズで動画をきちんと撮ろうとすると本格的になりすぎて、けっこうたいへんそう。現在試行錯誤中だが、静止画と動画とで、画像・映像の雰囲気を合わせるのがなかなか難しい。
撮影機材 Panasonic LUMIX S1, LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.




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