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2021年11月27日 (土)

南会津 ペンション ロマネスク / B&B Romanesque, dinner and breakfast included, autumn 2021

  

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1970年代後半、首都圏から栃木・福島県境の山王峠を越えて、国道121~352号線、国道121~289~401号線経由で檜枝岐に行ったことがあります。今回、会津からの帰京の途中に、再びこの南会津を尋ねてみました。

  

今回一晩お世話になったのは、「会津高原」にあるペンション ロマネスクです。45年ほど前にはなかった「会津高原」と呼ばれるリゾートエリアが今ではあります。ペンションオーナーご夫妻のお話、「会津高原」の成り立ち、1990年前後のバブル景気が、あまりにも見事に一致して、不思議な感慨に襲われました。ペンションの本題に入る前に、ちょっと長い前置きを最初に書きます。

当時の国鉄(日本国有鉄道)の民営化に伴い工事凍結になっていた日光・鬼怒川と会津田島方面を結ぶ鉄道(現在の野岩鉄道・会津鬼怒川線)の工事再開が決まり(1980年代初め)、「会津高原」リゾートの開発が始まります。最初にホテルとスキー場が出来たそうです。 私も1970年代後半から1980年代終わりまで、若い頃スキーをよくやっていました。日本全体でも1985年頃から一大スキーブームが到来します(1995年頃まで)。首都圏のターミナル駅では冬になるとスキー板を背負ったスキー客であふれ、有名スキー場ではリフト・ゴンドラの待ち時間が数十分から1時間というのも珍しくありませんでした。

1986年には会津鬼怒川線が開業し、1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』の大ヒット、バブル景気による消費の絶好調により、「会津高原」にも首都圏方面から非常に多くのスキー客が訪れ、ホテルだけでは宿泊客に対応しきれずに、地元による民宿の開業やペンションの一部開業も始まったそうです。ただ、民宿の方の接客サービス、特に食事の提供には悩みも多かったようで、こちらの御主人がホテルのシェフというキャリアを買われて、こちらでいろいろとアドバイスや指導をされていたそうです。そのうちに、ペンションのリーダー格の方から是非にとも請われて、御主人もこちらへ移住しペンション経営の道に入ることになったそうです。御主人は雪の風情と今でも残るペンション前の佇まいが気に入られたそうです。奥様は、最初の年の深い雪に驚いて生活に不安を覚えられたそうですが、一年間過ごして体験した美しい四季の移り変わりに感動して決意を固められたそうです。爾来、33年。

  

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こちらのペンションですが、オーナー御夫妻を含めた御家族で運営されているようです。皆さん、たいへん気さくな方々で、アットホームな雰囲気の中で過ごすことができます。こちらに滞在する方は、スキー・ゴルフ・登山などのアウトドアライフの方が多いそうなので、華美・お洒落というよりも質実剛健な感じのペンションです。

ホームページでも紹介されているように、御主人は東京の帝国ホテルのシェフというキャリアもお持ちですので、それらのキャリアが、ダイニングの設計(フロアーの高さを2段構えにして、広い窓にも大型ガラスを入れて、多くのお客さんが食事をしながら美しい森が良く見えるような配置になっています)や、リーズナブルな宿泊料金の中でも心のこもったお料理となっています。

この日の夕食は、前菜・自家製4種類の野菜によるコンソメスープ・ビーフシチュー(+ライス)・デザートです。
前菜には会津の郷土料理であるニシンの山椒漬け、スモークのハム、チーズやサラダなど。
濃厚なコンソメスープは自家製4種類の野菜によるもので、野菜の種類については奥様からお客様に出すクイズだそうですので、ここでは言いません(笑)。是非、味わってください。ニシンの山椒漬けは、身欠ニシン(ニシンの乾物)と山椒の葉を重ね合わせ、しょうゆと酢、お好みで隠し味に酒と砂糖を入れ、2~3週間漬けたものです。
メインのビーフシチューは、十分に柔らかく煮込まれた牛肉が美味しいです。基本は西洋料理のコース料理ですが、パンではなくてご飯が出てきます。もちろんお替り可能です。アウトドアで草臥れた体には、やはりご飯が良いようです。

  

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食後は、ダイニングの一角にある薪ストーブのそばで寛げます。広いダイニングルームですのでストーブによる暖房効果は少ないようですが(別途、石油ストーブがあります)、御主人もストーブの火を見ていると心が落ち着くと言われていました。上高地帝国ホテルのロビーラウンジにも有名な巨大なマントルピース(暖炉)がありますが、火を見ながらお茶を飲んだり雑談をしていると、本当に気持ちが安らぎます。

  

朝食はボリュームたっぷりの洋食です。まず、シリアル。次に大皿に、チーズ入りの大きなオムレツ、ハム、レタスに・・・・・、きゅうり、トマトなどのサラダ。果物はナシ・柿・ブドウ・オレンジ。そして、エゴマの入った自家製のパン。エゴマは地元では「10年」とも呼ばれているそうで、食べると10年長生きできるとのことです。
日常の和食の朝食に飽きた、ホテルのバイキングに飽きた方、いつも通りにしっかりした洋食の朝食をが食べたいという方にお薦めです。

 

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なお、お部屋の設備に関しては正直古さを感じさせます。また、床暖房であるのが特徴です。私も床暖房は初めての経験で、暖房の設定に戸惑いましたが、直にクリアーできました。草臥れていることもあり、熟睡できました(笑)。

  

ダイニングから見えている小さな渓流に行ってみます。今年の紅葉はあまり良くないようです。そうは言っても、白樺の木が散在する森はなかなかの風情です。子供さんたちも喜びそうです。

 

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首都圏からこちらへのアクセスは、ちょっとした秘境廻りです。しかし、檜枝岐や尾瀬に向かうルートでもあるために、大型観光バスとも遭遇します。また江戸時代、会津藩が参勤交代や日光東照宮参拝の会津西街道としても有名です。

B&B Romanesque Minami-Aizu Japan,  GOLF CABRIOLET,  October 2021,  CONTAX645 Phase One P30+ Distagon T* 55 mm F3.5 Zonnar T* 140 mm F2.8 iPhone SE

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