Bach Collegium Japan plays the Passion under the COVID-19 in Tokyo / バッハ・コレギウム・ジャパン(2021.4.2 聖金曜日)
Bach Collegium Japan (BCJ) conducted by Mr. Masaaki Suzuki plays Johannes-Passion (B.S. Bach) as 30th anniversary concert of BCJ, February 2021. BCJ also plays Matthäus-Passion (B.S. Bach) conducted by Mr. Masato Suzuki, April 2021.
BCJ also plays Johannes-Passion conducted by Mr. Masaaki Suzuki in the European concert tour, in Köln (Germany), spring 2020. It is the last concert before return home of BCJ in the COVID-19 pandemic. It carried out using live streaming with no audience and also CD recording under the assist of many people, feeling of suffocating tension by expanding pandemic, and feeling of musical tension by Johannes-Passion.
昨年2020年は、クラシック音楽の世界では、世界的にも「ベートーヴェン生誕250周年記念」で大きく盛り上がるはずでした。こちらのバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)も創立30周年記念で、本来は様々なイベントを企画されていたのだと思うのですが、新型コロナ感染症で定期演奏会はスケジュールを変更しながらもなんとかすべてを完了させました。私も感染の不安を覚えながらも、結局毎回通うことになりました。
バッハ・コレギウム・ジャパン、直近の4月の定期演奏会は恒例のマタイ受難曲(鈴木優人指揮)、その前の2月はヨハネ受難曲(鈴木雅明指揮)です。2018年秋の定期公演会から鈴木優人氏がBCJの首席指揮者に就任し、鈴木雅明氏(父)と鈴木優人氏(子)が交代で指揮をされています。
鈴木優人氏による定期公演会のマタイ受難曲指揮は初めてだと思います。
演奏形式としてはオーケストラも合唱団も左右に分かれて2編成、ソリストが8名といった構成です。
オケも歌い手も全員で一緒に演奏する場面、オケと合唱団が2つに分かれて独立して演奏する場合、ソリストとオケの組合わせ、ソリストと様々な楽器のソロ演奏の組合わせなど、演奏形態のバリエーションが豊富です。特にソロの歌い手と器楽のソロ演奏の組合わせが楽しいです。
今回は、特に2019年マルク・ガルニエ(オルガン製作者のお名前)製の通奏低音オルガンを使用です。
2019年のマタイ受難曲で初お目見えした、通奏低音用で、運搬可能な範囲での大型のオルガンです。可搬型といっても高さが約3mとのことで、そのままではトラックに乗らないようで、解体・組み立て・調整が毎回必要とのことで、たいへんなことのようです。さすがに、ふつうのオルガンに比べてしっかり音が聞こえていました。チェンバロ・パイプオルガンなどの演奏家である大塚直哉氏が演奏していました。
チェンバロは指揮者の鈴木優人氏が演奏。チェンバロのパートはそれほど多くはないとはいえ、チェンバロの前で立ったり座ったり忙しいです。
海外からのソリストが来れない現在、今回の目玉はソプラノの森 摩季さんです。BCJにもよく出演されています。
父子でどんな感じで演奏が違うのだろうか? 私のレベルでは仔細は良くわかりませんが、一点だけはっきりと違いました。
「終曲 第68曲 合唱(安らかに憩い給え) ~(歌詞)・・・・・・、ここでこそわが両の眼もこよなく満ち足りて眠りにつかん。」
で、約3時間の演奏が終わるのですが、雅明氏(父)はピアニッシモで消え入るように終わっていき長い静寂がありました。一方、優人氏(子)はふつうに終わっていたように思います。
全般的には、ある意味当然ながら、鈴木優人氏は同世代・若い世代の演奏家を積極的に招聘しているように思います。今日のオルガンの大塚直哉氏、ヘンデルの歌劇リナウド(2020.11)でのカウンターテナー藤木大地氏などです。お二人とも優人氏とは旧知の仲です。また、可能な範囲で自身の編曲を入れたり、即興演奏を入れたといった、ところでしょうか。もちろん、若いだけあって毎回エネルギッシュな指揮です。最近は、あちらこちらのオケに指揮者として招聘されバッハ以外の指揮も精力的にこなしたり、オルガンによるバロックから現代までの宗教曲を演奏したり、まさに大活躍ですが過労死しないかと心配になるくらいです。
バッハ・コレギウム・ジャパンの一年はマタイ受難曲で始まります。
受難曲はイエスがどのような経緯で十字架の上で死を迎えたのかを描いていますが、新約聖書におさめられた福音書記者による四つの福音書(イエス・キリストの言行録)の中の、マタイによる福音書、ヨハネによる福音書に基づいています。
J.S.バッハの場合、マタイ受難曲とヨハネ受難曲では福音書から引用しているテキストが違うために、出来上がった楽曲として、マタイ受難曲は有名なアリアが連続して華やかに(瞑想的)、一方、ヨハネ受難曲は冒頭から異常な緊張感を強いる、地味で難解(動的・峻厳的)といったイメージにあるようです。2月(ヨハネ受難曲)の鈴木雅明氏のお話では、2020年春からのヨーロッパ・ツアーがヨーロッパでのコロナ感染の第一波とまともにぶつかってしまい、時々刻々と変わる欧州の状況、演奏会のスケジュール変更や中止の状況が、たいへんな緊迫感を持って語られました。最後に、帰国直前、ドイツのケルンで演奏会中止の代わりに奇跡的に可能となったヨハネ受難曲の無観客ライブ配信(+レコーディング)が、パンデミックによる息詰まるような緊張感とヨハネ受難曲の音楽的緊張感と相まった中で行われたそうです。
春の”受難曲”シーズンはイースター(復活祭)に対応しています。春のイースター(復活祭)は十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念・記憶するキリスト教において最も重要な祭です。多くの教会で特別な礼拝(典礼・奉神礼)が行われます。「復活祭」という言葉は、ユダヤ教の「過越(すぎこし)の祭り」を表す「ペサハ」というヘブライ語の言葉から来ており、キリスト教の復活祭が旧約聖書時代の「過越の祭り」を雛形とした祝い日であることを示しています。
日本でもイースターはクリスマス、バレンタインデー、ハロウィンに続く第4のイベントとして注目を集めています。伸び悩みのバレンタインデー、落ち目のホワイデーに代わって、ハロウィーンに続く大きな商機が期待されているそうですが、日本では卒業式・入学式、お花見と忙しい季節です。
イースターでは誕生や復活をイメージする”卵”や、多産・繁栄の象徴である”うさぎ”をモチーフにした装飾で部屋を色鮮やかにして家族で食卓を囲むそうです。卵を使った料理を食べたり、卵の殻に絵を描いた「イースターエッグ」を飾ったり、卵を探すゲーム「エッグハント」などがあるそうです。
Tokyo Opera City Concert Hall : Takemitsu Memorial, April 2021, Bach Collegium Japan
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