伊豆東海岸 今井浜

「今井浜」、初春の「河津桜」で有名な静岡県河津町の外れ? にある小さな漁村です。
今井浜海岸(海水浴場)は、小さいけれども、「最高ランクの水質で、伊豆の中でも有数の美しい海岸」「白砂青松の浜で『伊豆舞子の浜』と呼ばれる」そうで、人気が高い海水浴場だそうです。ちなみに、「舞子の浜」は、神戸市西部、明石市に近い場所ですが、名勝『舞子の浜』として古くから知られています。
この小さな今井浜の集落を散歩していると、海に突き出た桟橋に大勢の人が、付近には車が多数います。どうやら、何かの撮影会のようです。陽も落ちかけて、太陽に反射した光が海面でキラキラと美しく輝いています。対岸には、今井浜東急ホテルが見えます。別の桟橋では釣り人が糸を垂れています。

集落の外れに来ると、海辺に丸い立派な石碑があります。表には「竜宮伝説の地 伊豆今井浜」と大きく書かれており、裏には伝わる竜宮伝説が書かれていました。出典は定かではありませんが、「七百余年前に起きた鎌倉大地震の際に波とともに怪しい炎が吹き出し一晩中消えなかった。 村人は竜神が神社に灯明をあげにきたのだろうと考え、竜神を祀り敬った。」 という伝説だそうです。
この地震・津波は、(「七百余年前に」とは若干年代がずれますが、記録がないので)室町時代(戦国時代の初期)の「明応4年(1495年)8月15日相模湾の地震」あるいは「明応7年8月25日(1498年9月20日)の東南海地震」に相当するのかもしれません。安房小湊と鎌倉には大津波が襲ったようです。鎌倉の大仏殿は流され、北条早雲が津波災害の混乱に乗じて小田原城を奪い取ったという説もあります。
最近、自然災害伝承碑(災害碑、慰霊碑、記念碑等の碑やモニュメント)が注目されています。国土地理院は自然災害伝承碑の地図記号を制定したそうで、今のところ646カ所ですが、日本全国では2000~3000カ所と推測されているそうです。また、消防庁には「全国災害伝承情報」と言うデーターベースがあります。
古来から人々は記録や記念碑を残してきましたが、碑は江戸時代以前のものは少ないようです。一方で、災害の記憶を口承として伝えてきましたが、「妖怪伝承」もその1つだそうです。水害が頻繁に生じる地域に伝わる河童、津波の前兆として現われる白鬚爺などが代表的です。竜宮伝説と言うと、浦島太郎を思い浮かべてしまい、地震津波との関係に直ぐに結びつきませんが、「龍神とは、龍宮に住むと伝えられる龍。水神や海神として各地で祀られている。」とのことから、津波に関連する伝承や伝説として残ったのでしょうね。
撮影機材 CONTAX645, Phase One P30+, Planar T* 80 mm F2
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