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2020年6月 7日 (日)

「アサヒカメラ」休刊

1926年4月創刊のアサヒカメラがこの6月19日発売の7月号を最後に休刊(実質の廃刊)になるそうです。
私も昔は随分とお世話になりましたので、感慨深いものがあります。原因はいろいろと言われていますが、これも時代の流れなのでしょうね。

アサヒカメラの関連でいちばん思い出深いのは、初めて買ったカメラの雑誌(書籍)であるアサヒカメラ臨時増刊「写真入門」(1971年5月発売、定価360円、約300ページ)です。カメラ・写真の教科書として何十回もページをめくった記憶があります。今では製本も痛んで注意しないとバラバラになりそうな状態です。カメラ雑誌は随分と処分しましたが、これは記念として残してあります。

 

 

Img_2385_iphone-se

 

ここの広告で掲載されている主要メーカーの機種は以下の通りです(括弧書きは当時のフラッグシップ機)。


掲載順に、Mamiya Universal Press, Minolta SR-T101, Fujica ST701, Nikomat FTn (Nikon Photomic FTn), Asahi PENTAX SP, 同 6x7, CANON FTb (CANON F-1) , OLYMPUS 35DC (OLYMPUS Pen FT)などでした。「写真入門」ですのでNIKON やCANONは一般向けのNikomatやFTbを広告に出したのでしょうね。当時の価格(定価)はNikon Photomic FTn(50mmF1.4)で83,000円(F2はこの後間もなく発表されます)、全く新しいシステムとして鳴り物入りで発売されたCANON F-1(50mmF1.4)は104,000円と随分高かったでした。もちろん当時は消費税などはありません。

 

アサヒカメラの「診断室」はそれこそ日本が誇る精密機械工業の製品テストでしたので、長い間これまた私の愛読記事でした。また、ニコンにはいつも好意的で、ある意味「ニコン神話」と一緒に歩んだのかもしれません。

しかしながら、カメラ雑誌を頻繁に買っていたのは2000年ごろまで、たまに買ったのは2010年まで、それ以降は自宅近くの公立図書館で済ませてしまうようになりました。2000年を間近にして、レンズの画質や特性を最大限に再現できると考えられる印刷技術(+上質紙)を採用して実験的に出版された写真集(というかレンズの作例集)が出ました。これを見ると、月刊誌の価格で対応できる印刷レベルでは画質の比較はほとんど無意味と思われ、購読への情熱が急速に失われてしまいました。

この「写真入門」が出た当時、カメラ雑誌としては「アサヒカメラ」と「カメラ毎日」がありました。「カメラ毎日」は1985年に突然休刊(廃刊)になってしまい、その後、毎日新聞社はアマチュア向けの趣味のカメラからは完全に手を引いたように記憶しています。朝日新聞社にはフィルムカメラの時代にもあったように、「診断室」やメカニズム記事を再編集してぜひ出版して頂きたいと思います。

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