車山肩にある「ころぼっくるひゅって」に泊まりました。「ころぼっくるひゅって」は、今ではカタカナではなくてひらがなで書くようです。
霧ヶ峰では、昭和10年頃にはすでにスキー場が賑わい、それに伴う山小屋や売店がけっこうあったようです。いま営業されている山小屋は昭和30年代に開業されたところが多いようで、こちらは昭和31年(1956年)オープンです。当時はもちろんビーナスラインはまだなく(昭和56年全線開通)、無人の草原だったようです。
昭和35年に八島ヶ原湿原・踊場湿原・車山湿原の3カ所がまとめられて、改めて「霧ヶ峰湿原植物群落」として天然記念物に指定されたり、八ヶ岳中信高原国定公園が昭和39年に指定されたりして、昭和30年代は山小屋を再興する気運も高まっていたのでしょう。
車山肩、今はビーナスラインの大駐車場があり、霧ヶ峰トレッキングの拠点となっており、日中は大勢の観光客や登山者で大混雑です。大駐車場からほんのわずか歩いたところにある「ころぼっくるひゅって」からは、車山湿原や車山山頂を望むことができます。また、このあたり一帯ではニッコウキツゲが保護されており、夏にはその大群落を見ることができます。
その意味では、まさに絶妙なロケーションにあります。初代オーナーさんの眼力は、大したものだと思います。
「ころぼっくるひゅって」でいちばん有名なのはカフェのようです。ネット上でも評判のようですが、確かに美味しいです。昼食でボルシチセットとトーストを食べました。ボルシチの味付けはなかなかです。トーストは味とその巨大さにびっくり!入道雲がもくもくと湧き上がる真夏の空の下で、車山湿原や車山を眺めながらの楽しいランチです。
分厚い!トースト; 左はハチミツとチーズ、右はシナモン
「ころぼっくるひゅって」の宿泊はわずか3室です。週末は満室でしたが、車での日帰りトレッキングの人たちが多いのでしょう。日中の喧騒も15時を過ぎると、本来の山の静寂が戻ってきます。雷雲が近づいてきたり、ガスがかかってきたり、天候も急に変化していきます。「ひゅって」のワンちゃんも綱を放たれて、自由気ままに遊んでいます。山小屋と言っても電気もあればお風呂もあるといった贅沢です。
食堂には、昔使ったランプがたくさん並んでいます。この日の夕食はハンバークでした。ボルシチとはちょっと違った感じでしたので、カフェと宿泊の食事は、料理される方が違うようです。
早朝の散歩です。ガスが速く流れていき、車山湿原があっという間に見えなくなってしまいます。ニッコウキツゲが朝露に濡れて輝いています。
朝食を食べて出発の準備をしていると、車でやってきた登山者がもう歩き始めていました。カフェにも、もうお客さんが待っています。
今日も、暑くなりそうです。


撮影機材 Olympus STYLIS 1s 6.0-64.3mm/F2.8(35mm換算28-300mm), SONY RX1R ( Zeiss Zonnar T* 35mm F2.0 )
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