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2017年11月11日 (土)

バッハコレギウムジャパン (2017.10)

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 前回はやむおうえない事情で行けなかったので、久しぶりのBCJです。
 
 今回はルター500プロジェクト - 宗教改革500周年を記念して - (第5回、シリーズ最終回)です。
 
 演奏会の開演に先立って鈴木雅明氏がステージに現れて、「定期演奏会では最初にあまりお話しするようなことはないのですが・・・」と言いながら、少々お話をされてから演奏会が始まりました。ウィキペディアなどを参照しながらフォローすると、ちょっと長くなりますが、以下のような趣旨のお話でした。
 
 
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 今日は街中ではちょうどハロウィンの日です。
 
 ハロウィンとは古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。ケルト人の1年の終わりは10月31日で、この夜は夏の終わりを意味し、冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカ合衆国では民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。
 
 したがって、ハロウィンはキリスト教の祭ではない。ただし、ややこしいことにキリスト教の「諸聖人の日」がハロウィンに重なっているために、教会でもこの日に合わせてパーティ等のイベントを行うことがある。そのために、ハロウィンに対してはキリスト教(カトリック、プロテスタント、東方教会)からは容認から批判まで様々な見解がある。
 
 カトリック教会では11月1日を「諸聖人の日」としているが、英語の「ハロウィン」は「諸聖人の日(万聖節)の夜」を意味する "All-hallow Evening" の短縮形をその語源としている。つまりハロウィンとはオール・ハロー(全ての聖人、我らの神)の日のイブという意味で、11月1日が「諸聖人の祝日」、その前夜祭がハロウィンになってしまった。これは、ケルト人が自然崇拝からケルト系キリスト教を経てカトリックへと改宗する過程で、ケルトの収穫祭に合わせて11月1日に設定したと考えられている。
 
 ところで、贖宥状(しょくゆうじょう)とは、16世紀にカトリック教会が発行した罪の償いを軽減する証明書で、免罪符などとも呼ばれています。贖宥状はドイツで盛んに売られて、ルターの批判を生むきっかけとなります。マルティン・ルターが1517年10月31日に『95ヶ条の論題』をヴィッテンベルク(ドイツ中部)の教会に掲出したことを発端に、ローマ・カトリック教会から分離したプロテスタントが誕生していく、宗教改革が引き起こされていきます。
 
 宗教改革に際して、ドイツ語聖書の出版を可能にした技術である活版印刷術は、ドイツ・マインツの出身者ヨハネス・グーテンベルクの発明とされています。マインツにはたくさんの聖遺物があるそうで(有名なマインツ大聖堂にあるのでしょうか)、その御利益を求めて贖宥状などお布施もたくさん集まったのでしょうね。ルターの書簡が本当に10月31日であったのかどうかはよくわからないそうですが、教会批判のシンボルとして「諸聖人の祝日」のイブである10月31日とどこでもされているそうです。


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 鈴木雅明氏は、以上の趣旨をごく簡単にお話しされて、シリーズ最後の演奏では、ルターに始まるカンタータ(斉唱)が様々な形で発展し最後J.S.Bachにより教会カンタータとして集大成されたその200年間の変遷の歴史を振りかえっていきたいとおっしゃられて、今日の演奏会が始まりました。
 

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