ドキュメンタリー映画「セバスチャン・サルドガ ー地球へのラブレーター」
普段あまり映画館には足を運ばないのですが、新聞の映画評にも出ていたので、「セバスチャン・サルドガ ー地球へのラブレーター」を渋谷文化村まで見に行ってきました。
セバスチャン・サルドガは飢餓や内戦などのをテーマとした崇高なモノクロ写真で知られていますが、その有名な報道写真家が初めて取り組んだ環境問題で、多数の映画賞を受賞しています。
有名な「トゥアレグ族の盲目の女性」は私も見た記憶がありましたが、私自身はこの方をほとんど知りませんでした。
1944年ブラジル生まれ、サンパウロ大学修士号取得、60年代の軍事独裁政権下で政治活動参加、フランスに渡りパリ大学で経済学博士号取得。国際機関にエコノミストとして就職、妻から渡されたカメラに夢中になりその後フリーの写真家に転身。社会派の報道写真家として数々の賞を受賞。2004年から環境問題にも写真家として取り組む。
作品としては、一貫してモノクロのコントラストの強烈な写真です。EOS-1そしてEOS-1D?で、昔よく見たトライXを思わせる作品、デジタルとしては今時珍しい作風です。優秀なプリンターさんがいるのでしょうか?全編を通じて、奥さんが企画・編集・売り込みに非常に重要な役割を果たしている印象でした。
また、報道写真家ですが一匹狼の戦場カメラマンではないようです。取材のスタイルとしては国境の無い医師団などの国際機関と伴に常に行動しているようです。ですから悲惨な写真も多数出てきますが、リアルタイムの戦場ではなく、戦後の場面が多いようです。
最近の取材現場が出てきますが、大掛かりで世界各地(辺境の地が多い)を巡るので、いまどきの取材には金がかかるものだと、改めて思いました。ブラジルにある自分の農場で環境問題も実践して高い評価を受けているので、環境問題の専門家とも言えるようです。
「大地はすべての源」だそうです。DVDが出るのならば、買っておきたいと思いました。
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