カメラ回顧録(8) Nikon F Photomic FTN (1)
(日本光学工業株式会社 1970年頃のカタログより)
カメラ好きの父から大学の入学記念にNikon Fを買ってあげると言われたのは、1971年の春でした。父も若い頃からカメラが好きだったようで、最近遺品の整理をしていたらブローニュを含めて若い頃に撮影した沢山のネガが出てきました。当時父はオリンパスに凝っていたようでオリンパス ペンFなどを使っており、私も時々使わせてもらっていました。
そんな中突然Nikon Fという雲の上のような存在が舞い降りてきたものですから、大変驚きました。確か6月頃、東京池袋のカメラの大型専門店で買ってもらいました。
(同上)
当時はまだ、現在のようなカメラや電気製品の量販店はありませんでした。静かな店内でお店の人とじっくりと相談して買う、というような雰囲気でした。大型店でもNikon Fの在庫は1~2台で、無い時も多いと言われました。実際に出かけてみると、希望のシルバーのNikon F Photomic FTN(50mm F2、セミソフトケース付き、¥74,700)は無くてブラックのNikon F Photomic FTN(50mm F1.4、セミソフトケース付き、¥84,500)だけでした。値引きは5%程度だったと記憶しています。がっかりしていると、父も時の勢いというかこれで良いよと気前よく買ってしまい、二重の驚きでした。父にすればかなりの予算オーバーだっと思います。(当時と現在では時代も貨幣価値も違いますが、デジタルになってから本当にカメラやレンズが高くなったと思います。)
帰宅して、カメラの箱を開けて父とどのような話をしたのかもう覚えていませんが、父からのビッグなプレゼントとなりました。
(埼玉県秩父市志賀坂峠付近から二子山を望む
Nikon F Photomic FTN+Nikkor Auto 50mm F1.4+Fuji NEOPAN SSS+EPSON F-3200)
古いネガやポジフィルムを少しずつデジタルデータに変換していますが、実はブログにアップできるようなNikon Fの写真があまりありません。デジタル時代の今と違い撮影枚数自体が違うし、上手く撮れなかったフィルムはその後捨ててしまい友人や家族のポートレートが中心で残っていること、ポジフィルムは退色・変色、様々なカビなどが生えて劣化しているフィルムが多いことなどが理由です。一方、カラーに比べて、モノクロフィルムはやはり劣化に強く長期的な耐性も良いようです。
(埼玉県秩父市志賀坂峠付近
Nikon F Photomic FTN+Nikkor Auto 50mm F1.4+Fuji NEOPAN SSS+EPSON F-3200)
(続く)
撮影機材
Nikon D2HS + Ai AF Nikkor 35mm F2 S / Aperture
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