カメラ回顧録 (7) ー New Mamiya 6 MF (Multi Format)
1940〜1950年代にマミヤ・シックスという6x6判のスプリングカメラがありました。これは、いわばそのリバイバル版ということでNewと名乗っています。1988年にフォトキナでまずNew Mamiya 6が登場し(1989年発売)、1992年のフォトキナでマルチフォーマット化されたNew Mamiya 6 MFが登場しました。マルチフォーマット! アダプター使用で6X6判に加えて、6X4.5判と35mm判パノラマサイズ(横幅が通常の1.5倍)が可能となりました。類似の機能を持ったカメラとしては後のフジフィルムのTX-1,TX-2があります。
この35mm判パノラマサイズのダイナミックスさに惹かれて、このカメラを購入しました。さてその結果は・・・・・。
35mm判パノラマサイズは、中判カメラ用レンズの中央部だけ使用しているだけあって、ネガ(ポジ)だけで見ても十分迫力があります。しかし、35mm判パノラマサイズは、当時流行っていた”35mmパノラマ写真”の規格とは異なり、実はかなり特殊な規格でした。
まず現像は、ネガ・ポジを所定の長さに裁断してシートに入れてもらうのではなく、フィルム1本まるごと”ロール”の形で受け取ります。つまり、この規格外の撮影フィルムを自動で裁断すると、コマの途中で裁断する可能性が高いので、自分でコマを確認しながら裁断することになります。ところが、この”ロール”が、かなりきつく丸めてあるものですから、広げても裁断しにくい、またシートに入れても丸まっていてなかなか平坦にならないなどの、クセがあります。
またプリントするのも、すべて手焼きの指定になります。確かに出来上がりのプリントは素晴らしいのですが、とにかく面倒くさい。35mmフィルムなのに同時プリントなんて、とてもあり得ない訳です。最初は超高画質のお手軽パノラマ撮影のつもりで買ったものですから、これにはかなりストレスを感じました。
今回この35mm判パノラマサイズの素晴らしさをスキャンニングしようと思ったのですが、見事に失敗です!!35mm判パノラマサイズの規格が設定されていないので、プレビューの段階でコマが分割されてしまいました。いろいろ工夫してみましたが、私のスキャナーでは駄目なようです。色調も変な画像が良く出てきます。その中でも比較的まともな画像(パノラマサイズの部分)をアップしています。
カメラ自体はかなり以前に手放していますが、今回改めて諦めがつきました。
撮影機材
New Mamiya 6 MF + 75mm F3.5 / Fuji V100 + EPSON F-3200
| 固定リンク
「カメラ回顧録」カテゴリの記事
- ニコンミュージアム企画展「光学ガラスの軌跡」(2022.11.05)
- 「アサヒカメラ」休刊(2020.06.07)
- カメラ回顧録(21) Fuji GW690II Professional(2020.04.27)
- カメラ回顧録(20) Canon EF + New FD100-300mm F5.6L(2018.01.06)
- カメラ回顧録(19) Canon EF + New FD50mm F1.2L(2017.08.16)
コメント