オリエンタル・ハイブリッド 4 (Oriental Hybrid)
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画像を見られるようにするドライバー KODAX DCS Acquire も少々変わっています。基本的にはPhotoshop のPlug-in ですが、画像一覧機能、撮影データの現像的な作業、簡易な画像編集&処理、撮影情報の表示などをこなす統合的なソフトウェアです。とにかく最低限”現像”作業を行って、通常のファイル形式に変換する必要があります。
まず画像一覧で画像を選択し、データ変換をするためには「Acquire」のコマンドボタンを押します。最近はあまりと言うか、ほとんど?見ないコマンドだと思います。最初はマニュアルを読まずに始めたために、「Acquire」を押しますが、何も出てきません(苦笑)。・・・・????、と思っているうち、近くの「Done」のボタンを押すと、Plug-in としてのKODAX DCS Acquireの画面が消えて、Photoshop の画面に現像というかデータ変換された画像が現れます。最初はあっけにとられてしまいました。Doneというのも実に見かけないコマンドです。10年一昔ということでしょうか。ようやく、ここで別名保存して、撮影データが自分のものになりました。
保存されたデータは一般的なTIFFファイルですが、RAW現像されたデータに非常に近い品質だそうだ。600万画素で約18MBには少々驚きますが,jpgに変換すると約5MBほどになります。なお撮影データ自体もTIFF 約5.3MBで、パソコン上のプレビュー機能で写真を一応確認することはできます。その意味でRAWデータとは違うようです。
KODAX DCS Acquireの使用環境はWin 2000まで。 Win XP はサポートしていないが、使用可能?。MACはOS9.2まで。400MHzの最初期型のPowerBook G4では、多量の画像データを処理するにはやや遅いのですが、他の仕事の合間に行えば我慢出来ないほどではないようです。
撮影機材
CANON EOS D6000, TS-E24mm F3.5L, EF 28-70mm F2.8L USM
カメラ本体の印象です。ボディの左肩にEOS-1Nのエンブレムが普通にあり、一方でレンズの下側にゴールドの文字でCANON PROFESSIONAL DIGITAL CAMERA EOS D6000と刻印されています。KODAX と似たような名前の付け方ですが、ダブルネームのような雰囲気です。
KODAX製の巨大なバッテリー。バッテリーの劣化を防ぐために、充電器には強制的に放電させた後に充電開始という親切なシステム。現状では新しいバッテリーは入手不能なようです。AC電源が付属していますので室内撮影は可能ですが、屋外は厳しい。キャノンもコダックも、この頃のデジタル一眼レフのサポートはすでに完了しています。
カラーモニターのメニューはすべて英語です。カラーモニターは1.8インチと、現在のカメラと比較するとたいへん小さくて、画像は一応確認出来るといった程度でしょうか。ONE SHOT オートフォーカス(他にAI SERVOオートフォーカスなど)は、中判用デジタルカメラバックを思わせるような用語ですが、デジタルカメラバックの初期にあったシングルショット・マルチショットとは関係ないようです。
1GBのPCカードで169枚撮影可能です。当時の1GBのPCカード、高かったと思います。
撮影機材
CANON EOS D6000, TS-E24mm F3.5L
NIKON F4, PC Nikkor 35mm F2.8
コダックのカタログなども含めて、コダック製CCDセンサー関連の特徴を再掲します。
型式 KAF-6302CE(M-16):DCS 560/DCS 660
600万画素、大型サイズCCD、ITO (Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫) センサー 採用(短波長域の感度改善)
CCDサイズ 27.6 × 18.4 mm、 画素ピッチ 9.1 μm、縮小光学系なし
有効画素数 3040 × 2008ピクセル
35mm版換算値 約1.3倍
ISO感度 80〜200
記録フォーマット TIFF/EP (RGB各色12bit Lossless圧縮RAW Data)
画像展開時のファイルサイズ 約18MB (8bit) または約36MB (12bit)
ドライバーソフト(KODAX製) Macintosh用:Photoshop Plug-in (OS 9.xまで)、Win PC/AT互換機用: TWAIN Driver(Win2000まで)
赤外線カットフィルター&ローパスフィルター マウント内内蔵:ローパスフィルターの特性がCCDに最適ではなく(D6000)、偽色は抑えられるが鮮明度がやや落ちる。(写真工業: キャノンデジタル一眼レフの系譜)
撮影機材
CANON EOS D6000, TS-E24mm F3.5L, EF 16-35mm F2.8L USM
キャノンのハイエンド・デジタル一眼レフカメラの第二世代?の機種と言えます。EOS DCS-1/DCS-3(1995年発売)の後継機種として、1998年にEOS D2000/D6000が発売されました。D2000は200万画素・198万円、D6000は600万画素・360万円でした。その後NIKON D1、CANON EOS-1Dが発売され一気に低価格化が進むことになります。EOS-1Dは415万画素・75万円(2001年)でしたので、EOS-1D発売当初のキャノンのフラッグシップはまだこのEOS D6000でした。当時としては驚異的な600万画素です。なおEOS-1Dは、D6000と同じコダック製CCDを搭載した最後のキャノン製デジタル一眼レフとなりました。裏返せば、NIKON D1登場当時、キャノンではまだEOS-1D用自社製センサーを準備出来なかったのでしょうか。
スペック的に興味を引くのは、やはりコダック製600万画素CCD(35mm版換算値約1.3倍)でしょう。このCCDセンサーについて詳しい紹介を眼にすることはありませんので良く分かりませんが、正方格子600万画素、アスペクト比3:2、ISO 80-200、水平3040×垂直2008画素、また記録フォーマットはTIFF(Lossless圧縮RAW Data)で、毎秒約1コマの連写が可能とされています。
ほぼ同時期にコダック製600万画素CCDを搭載した製品として、Kodak Professional DCS 660 Digital Camera (NIKON F5 bodyベース、371万円、1999年)およびKodak Professional DCS 560 Digital Camera (CANON EOS-1N bodyベース、360万円、2000年)があります。これらのカタログを見ると、D6000と非常に類似しており価格もほぼ同じですので、基本的に同じCCDセンサーではないかと想像されます。コダックを中心に3社で技術開発が進められていたのでしょか。これらの最終モデルが、Kodak Professional DCS 760 Digital Camera (NIKON F5 bodyベース、2001年)となり、これ以降はCMOSを搭載したKodak Professional DCS Pro 14n Digital Camera、Kodak Professional DCS Pro SLR/n Digital Cameraとなります。一方「写真工業」の古い記事「コダックDCSプロバック」の中に、KODAK PROFESSIONAL DCS 460 Digital Cameraと中版用デジタルカメラバックDCS645は、同じフルフレーム型CCDセンサーを搭載していると書かれていますので、コダック製の一連の35mm一眼レフ用CCDはフルフレーム型なのでしょう。D6000の場合でも、CCDの製造上の歩留まりが非常に悪く、価格の2/3程度はCCDの価格のようです。
撮影機材
CANON EOS D6000, TS-E24mm F3.5L, EF 28-70mm F2.8L USM
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