CONTAX 645用 Planar T* 80mm F2
CONTAX 645用Planar T* 80mm F2は、645用標準レンズとして初めてF2.0の明るさを達成したレンズとして注目を集めました。京セラ(ツアイス)は、T* Planar80/2は35mm用P55/1.2と同等レベルと認識しているらしい、という話もありました。発売前には、645カタログの作例が不適切で判断しにくい、写真展ではF2.8がシャープ、などといった評価が出ていました。なお中版カメラ用レンズとしてF2.0の明るさをもつのは、他にはハッセルブラッド6X6用Planar FE 110mm F2がありました。
CONTAX 645は、標準レンズであるこのPlanar T* 80mm F2と一緒に購入しました。CONTAX一眼レフは、この645が初めてでしたので、よく言われるようにZeissへの強烈な第一印象を素直に受けました。Zeiss lenseの発色、色の濃密さ、ボケの美しさなど、従来から言われている点を実感しました。これは他人の話やカメラ雑誌を見ていても分かり難いと思います。
近接撮影で、絞り開放付近での合焦位置から溶けていくようなボケに関しては感動的でした。ボケの美しいのはF2〜F4位まで。F2 からF2.8へと絞ると、コントラストも解像度も一気に高くなります。その後も絞るほどに、中央部も周辺部もコントラストと解像度は徐々に上がっています。F2.4では、ボケ味はF2.0に近く、解像度やコントラストはF2.8に近くなります。ただ背景の選び方によっては、F2では背景のボケが固くややガサガサしているような場合もありました。雑誌で写真家の方が80mmF2は、F2.8が最高とおっしゃっていましたが、私自信はF2開放も含めて十分満足してします。
色調に関しては従来満足の行く写真がなかなか出来ませんでした(プリントも含めて)が、量販店の同時プリントでこれほどの濃密な色調がいとも簡単に出てしまうとは驚きで、数段腕前が上がったような錯覚に陥りました。赤や黄色の落ち葉の色合い(濃密な色調)、肌の色と濃紺の服について階調の豊かさ、黄昏時にもかかわらず建物など驚くほどコントラストが高くシャープなことが、最初に印象的でした。
写真は最短距離、F2での撮影です。花びらから茎、ガラスに至る溶ろけるようなボケは、初めてみるもので感激ものでした。一方で背景ボケ(右側 白のカーテン)がややガサガサしているようで気になりました。
雑誌のテスト記事やCarl ZeissのHPを見ても絞り開放では解像度もMTFも相対的に低いわけですが、35mm判Zeiss lenseの古い世代で言われているような、絞りによる極端な変化は無いように思います。この意味では、当然なのでしょうが、現代的な設計になっているようです。
(本文は、以前サイト内のClub CONTAX 645 で書いた記事を加筆編集したものです。)
撮影機材 CONTAX 645, Planar T* 80mm F2: F2.0, 1/1400, AV +2/3, Fuji アスティア ASTIA (RAP)
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