CONTAX 645用 Apo Macro Planar T* 120mm F4
プリンセス・ドゥ・モナコ Princess de Monaco (四季咲大輪系)
撮影機材 CONTAX 645, Apo Macro Planar T* 120mm F4, Fuji アスティア ASTIA (RAP)
カールツアイス(Carl Zeiss)のマクロレンズは、いずれも優れたレンズであることで有名です。このレンズが発売された当時、アポ(アポクロマート)を冠したマクロレンズは初めてでしたので、ツアイスの意気込みが感じられました。発売当初から、みなさん良い印象で、雑誌でも高い評価を得ていたと思います。
レンズに同封されている取り扱い説明書の内容は、基本的にはツアイスのホームページのMTFに関連するところの日本語訳です。また、レンズ設計の基本は35mm判の超高解像力S-Planarによること、等倍撮影時もS-Planarの画質を保つこと、色補正により絞り開放でもプロ用になることが、書かれています。
距離∞ではコンパクトですが、重量はずっしり。ピントリングはかなり重厚で、等倍→∞などでは懸命にリングを回すといった感じです。フードのサイズは、長さ約65mm、径90mmです。
MTFの特徴です。1) F4開放、距離∞ を除くと、ほとんどが画面全体でフラットなMTF特性を示している。2) 距離による変動が極めて少ない。3) F4では像倍率=1:1において、距離∞と同等以上の特性を示している。4) 中心部のMTFは、距離∞ > 像倍率=1:1 > 像倍率=1:10。
類似のレンズのMTFとの比較を行ってみました。確かに645判のS-Planarですね。∞から像倍率=1:10ではMP100mm F2.8が秀でていますが、像倍率=1:10をすぎると(具体的にどのあたりかは不明ですが)Apo MP120mmが、MP100mm F2.8を凌駕します。
点、線、陰影などかなり細かい図柄の陶板を中心に小物を配して、テスト撮影を行いました。MTFは、撮影像倍率に対しても、ほぼ一定ということでしたが、内心そうではない発見があるのではないか、という期待が、ありました。しかし各像倍率で等しく良く写っており、私には差異はあまり分かりませんでした。このテストではあえて言えば、1:1(等倍での感激), 1:3(コントラストの向上と背景のボケ), 1:10(雰囲気)あたりが好印象でした。
実写の第一印象です。いつものとうりカメラ店で受け取ったポジ(アスティア)を確認のためにその場で見たのですが、同じ薔薇をPlanar T* 80 mm F2の最短距離で撮影したものと、このApo Macro Planar T* 120mm F4の等倍近いものが連続していました。一瞬チラッと見ただけで、思わず心の中で「これは一体何??!!」と叫んでしまい、どぎまぎしてしまいました。そして周りの人に見られないように、何故か慌ててしまい込んでしまいました(笑い)。それほどMP120mmF4のシャープネスは圧巻でした。
Apoの名を冠しただけあって、どこをとっても超シャープで、ツアイスらしい濃厚な色調と自然なボケが特徴のレンズです。少々重いですが、汎用の標準レンズとしても使えるでしょう。お気に入りのレンズです。しかしこんなにすばらしいレンズが出てしまうと、画角の近いPlanar T* 80 mm F2、Sonnar T* 140 mm F2.8などとの使い分けが難しいかもしれません。Planar T* 80 mm F2は大口径によるボケの美しさがあるにしろ、もっと強力なインパクトが欲しくなります。いずれにしても、このアポマクロレンズは後悔しない1本です。
(本文は、以前サイト内のClub CONTAX 645 で書いた記事を再編集、加筆したものです。)
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